京都青年 2014年5月号


京都青年2014年5月号 記事一覧

創ろうわかちあう世界を

活動報告
専門学校 卒業式
専門学校 入学式
第1回The Y cup京都ミニバスケットボール大会

活動紹介 ~YMCAにつながるわたしたち~
京都ワイズメンズクラブ
福知山ワイズメンズクラブ
フーロカール
OUTDOOR CLUB&CAMP リーダー会


「苦しむ人のいるところ、YMCAもともにあり」

京都YMCA
評議員 清水 武彦

 

YMCA(キリスト教青年会)は超教派の社会奉仕団体です
YMCAはキリスト教国と言われる欧米ではキリスト者が主体となって運動を展開していますが、キリスト者の総数が百万人足らずと総人口の一%にも満たない日本では、YMCAの会員の大部分はキリスト者以外の方々です。
京都YMCAは「イエス・キリストによって示された愛と奉仕の精神にもとづき、青少年と共に精神・知性・身体の全人的な成長を促す運動を進めます。」という使命を掲げている社会奉仕団体ですが、公益財団法人の普通会員(2013年度)827人のうちキリスト者はプロテスタント諸派、カトリック、聖公会の信徒60人(7%)にすぎません。
普通会員にはYMCAを支えることを目的とする社会奉仕団体のワイズメンズ18クラブ・約500人の方々もおられますし、賛助会員として16人、46法人も事業を支えてくださっています。 京都のような長い伝統を持つ神道・仏教の中心地で、氏子や檀家の総代など他教派の熱心な信徒の方々も含めて、キリスト者の10倍以上の方々が京都YMCAの運動に会員として参加しておられるのです。
いま、世界各地で民族・宗教・社会体制などの違いから紛争、内乱が絶えない状態にある中で、超教派で運動を進めるYMCAは貴重な存在と言えるのではないでしょうか。

YMCAは会員が運営を担う非営利のボランティア団体です

京都YMCAは、ウエルネス事業とボランティア育成事業を行う公益財団法人と、国際福祉専門学校を経営する学校法人という二つの法人により事業を行っています。 両法人の経営は少数の有給職員と多数のボランティア役員によって運営されています。日常の事業は、総主事( 校長)の統括の下に有給の職員と非常勤講師・教員が、専門的ボランティア、学生ボランティアと共に行っています。
両法人の経営は、会員が無給のポリシイ・ボランティアとして、理事、監事、評議員はじめ公益財団法人の常置委員会、特別委員会、専門委員会、実行委員会の委員になって、常勤職員と共に行い、あるいは専門的な知識や経験など、一人ひとりが持つ力を出し合って事業に参画しているのがYMCAの特徴です。

「苦しむ人のいるところ、YMCAもともにあり」

イエス・キリストは、貧しく寄る辺なく、病や障がいのため「罪人」として差別され、「飼い主のいない羊のような」民衆に心を痛め、各地を旅して彼らの病や障がいを癒し、食物を集めて分け与え、弟子として従う若者たちを育てました。 日本のYMCAも創立以来、苦しむ人と共にあろうと運動してきましたが、植民地支配やアジア・太平洋戦争の時代に、支配される人々の苦しみを共にすることはほとんどできませんでした。これを反省して、日本YMCAの基本原則に「アジア・太平洋地域の人びとへの歴史的責任を認識しつつ、世界の人びとと共に平和の実現に努めます。」という条項を掲げました。
21世紀の世界は、地球人口の激増による食料不足や環境破壊、グローバル資本の利益追求による格差の拡大、地球気象の激しい変動や活動期に入った地殻の大変動、インターネットの普及による情報交換の瞬時化、核の拡散や新鋭兵器の開発競争などによって、一国・地域では対応できない不安定な要素が高まっています。これらによ る社会不安は、現状を打破しようと過激なナショナリズムやテロリズムによる紛争・内戦を各地にもたらしています。
このような中で生き抜くことは、個人の力を超えてきており、特に「社会的弱者」はしわ寄せされて厳しい生活を余儀なくされています。 京都YMCAも苦しむ人とともにあって、どんな状況の中でも希望を持ち、助け合って生きて行く力を養えるよう、持つものを捧げて行きたいと願うものです。 あなたもこの運動に参加してくださいませんか。

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活動報告

専門学校 卒業式


京都YMCA国際福祉専門学校には留学生を対象とした日本語科と介護福祉士を目指す介護福祉学 科があります。3月にはそれぞれの学科で卒業式が行われました。日本語科は3月4日に卒業式が行 われ、26名の留学生が日本の大学や大学院に進学したり、母国に帰って就職をしたりと次の進路に 進んで行かれました。介護福祉学科の卒業式は3月14日でした。福祉現場での実習も含んだ2年間の学びを終えて、33名の学生が介護福祉士として巣立っていきました。これからの福祉現場での良き働きをお祈りしております。みなさま、卒業おめでとうございます。

 

報告 阿部和博
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専門学校入学式



京都YMCA国際福祉専門学校の入学式が行われました。日本語科は4月4日に行われ、中国・台湾・韓国・フィリピン・スリランカなど32名の留学生が入学されました。4月8日には介護福祉学科の入学式があり、こちらは31名が入学され、介護福祉士を目指してこれから2年間の学習が始まりま す。各学科の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 

報告 阿部和博
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第1回The Y cup京都ミニバスケットボール大会

  京都市横大路運動公園体育館を会場に3月15日、16日に第1回The Y cup京都ミニバスケットボール大会が開催されました。

この大会は、京都YMCAの125周年と京都でバスケットボールが始まって100年目を迎えるのを記念して開催され、京都YMCAと京都ミニバスケットボール連盟が実行委員会を組織して企画が進められてきました。
この大会が開かれる3月は、ミニバスケットボールの全国大会や近畿大会があり、それらの大会に参加しないチームにとっては新しい目標になり、また、連盟に加盟していない小学校のクラブチームなどにとっては、普段できない対外試合の機会になるということでこの時期に行うことになりました。京都市内の小学校を対象に公募されたチームと京都ミニバスケットボール連盟推薦チームそして京都YMCAのユースバスケットボールチーム男女各8チームずつがミニバスケットボールの公式ルールに則って2日間にわたりリーグ戦方式とトーナメント方式により競技を楽しみました。

優勝したチームには大きなThe Y cup(京都YMCA杯)が贈られ、準優勝、3位、敢闘賞にそれぞれトロフィーや盾が贈られました。また、個人賞としてYM C A のユーススポーツが提唱するfun, value, skill, fair play, fitness の 5つを体現した選手を各チームから一人ずつ選んで表彰するファイブゴール賞も贈られました。

二日間とも京都部のワイズメンズクラブによる昼食提供のコーナーが設けられ、参加した子どもたちが各コーナーで温かい豚汁や焼き飯、豚まんなどをワイワイ言いながらチームのみんなと楽しく食べていました。試合では5年生6年生に交じって1年生や2年生がだぶだぶのユニフォームを着て一生懸命に走り回る姿も見られ、YMCAらしい大会となりました。

共催したミニバスケットボール連盟の役員の方々からも、このような大会はなかったのでとてもよかったと喜んでいただきました。

報告 加藤俊明
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活動紹介 ~YMCAにつながるわたしたち~

京都ワイズメンズクラブ

kyoto ys
ワイズメンズクラブの目的である「第一にYMCAのためのサービスクラブとして活動する」をモットーに活動しています。そのうちの主なものを紹介します。

○国際リーダーが毎年リトリートセンターで行っている異文化交流プログラムの食事支援を行っています。
特大のステーキに歓声を上げ、流しソーメンの文化がない留学生の「美味しい」の一言、また、スイカのシーズンが終わってから行われるスイカ割りなど、彼らに喜んでもらえるよう、また、交流の邪魔をしないよう裏方に徹して支援しています。

○緑に包まれたリトリートセンターにおいて年に一度、全国から集まるAIDS患者とその家族、彼らを支援する団体“ CHARM(チャーム)” のメンバー、医師や看護師の皆さんに夕食を提供して、皆さんの交流を支援しています。
近年は家族の方々から食事のメニューの希望が出たり、「一緒に食事をしよう」との声をかけてくれるほど信頼してもらえるようになりました。

○京都YMCAが支援している“ 京都いのちの電話”のサポートも永年続けています。近年はクリスマス・チャリティーコンサートの会場の設営や受付業務等を担当しています。

○日本語科の留学生の修了記念文集アルバムを手作りで作製し10年になります。
もともとは文集が主でしたが、先生方のご希望により、近年はアルバム形式の中に文集や短歌、観光写真などを入れ、見て楽しいものに変化しています。日本人の心のこもった卒業アルバムを故国に持って帰って、日本語の勉強はこんなに楽しかった、京都の街はこんなに美しかった、京都YMCAは素晴らしい学校だ、ということを忘れないとともに、周囲の人たちにこのアルバムを見せながら、ぜひ話をして欲しい。そして、それを聞いた後輩達がまた続々と京都YMCAで学んで欲しい。そんなことを願いながら、私たちは毎年夜遅くまで修了記念文集アルバムの手作り作業をしています。

○ユース21の組織団体である京都YMCAの一員として、全国車いす駅伝競走大会の乗降介助に初回から25年間携わっています。
クラブメンバーの高齢化で大変になってきましたが、今後もサポートして行きたいと思っています。

○学園祭や国際協力チャリティーイベントへの協力、また、京野菜の販売促進を兼ねたチャリティー即売会も継続して実施し、収益金をYMCAに寄付するなど、新しい事業も展開しつつあります。

○クラブの60周年時には「京都YMCAこども支援基金」の創設に尽力し、さらに一昨年度からYBFと称する基金をクラブ内に設け、YMCAの職員などが研修のため、海外渡航する際に支援金を贈るという制度を作り、毎年利用してもらっています。

これからも求められる新しい事業を考え、実施していきたいと思います。

京都ワイズメンズクラブ
金澤 市郎
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福知山ワイズメンズクラブ

福知山ワイズメンズクラブは京都ワイズメンズクラブがスポンサークラブ(生みの親)となってくださって1963年に発足し、2013年に50周年を迎えました。2014年3月16日、福知山クラブ50周年記念例会をもちましたところ、高瀬稔彦ワイズメンズクラブ国際協会西日本区理事、京都部からは桂厚子部長はじめ5クラブ17ワイズがかけつけてくださり、34名の例会になりました。福知山クラブのメンバー7名、大きな励ましを受けました。「京都青年」の紙面をお借りし、心より感謝申し上げます。

記念例会に先立ち、京都部より福知山YMCA会館に看板を寄贈・設置いただきました。この看板に福知山ワイズメンズクラブの文字も入れていただいたので、看板を見るたびに福知山YMCAをサポートする自覚を強くしています。

福知山ワイズメンズクラブでは、毎月1回、食事例会を持って講師の話を聞き、40代から80代のメンバーが親睦を深めています。毎例会時にバイオリンの生演奏にあわせて「ワイズソング」「YMCAの歌」を斉唱、老いても歌唱力はなかなかです!
ボランティアだけで運営されている福知山YMCAのさまざまな行事に参加し、支援しています。福知山YMCAと共催する小中学生席上書初大会は37回を数えました。一堂に会して書き初めをする席上大会は全国でも少なく、課題を決めての大会はごく珍しいものです。近年は一般参加も歓迎しており、今年は京都部からも初参加いただいたことは大きな喜びでした。
4月末の日曜日に開催される福知山市子ども大会に協力し、「竹細工コーナー」と「えほんのひろば」を担当しています。
7月には福知山YMCA会館前の河川清掃「クリーン弘法川&魚つかみ・金魚すくい大会」を福知山YMCA、地元自治会・子ども会等と共催し、今年は第29回大会となる予定です。

福知山市では念願の新しい市立図書館が今年6月に開館します。福知山YMCAブッククラブが発足当初より市立図書館ボランティアを務め、2015年に20周年を迎えるにあたり、福知山ワイズメンズクラブとしてもブッククラブの活動支援を継続します。
このように福知山クラブの活動はどれも20年以上続くものばかりで、周辺の住民の方々にも親子2代、時には3代にわたってプログラムに参加いただいていることが自慢です。これからも明るく楽しく、笑顔で活動を続けていきたいです。

福知山ワイズメンズクラブ
会長 堀 京子
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フーロカール

fulo

インド東北部にあるランチ市のランチYMCAと京都YMCAは兄弟YMCAの締結をして長年交流を続けています。2003年8月に京都YMCA100周年記念インドツアーに参加したYMCA会員はランチ市郊外のハンセン病患者とその家族300名が身を寄せ合って暮らす2カ所のハンセン病センターを訪問しました。

センターとは名ばかりでスラムといった方がよいものでした。ランチYMCAによって電気が引かれ、井戸が1つずつ掘られていましたが、トイレはどちらのセンターにも1つもなく(裏の川がトイレ代わり)、トイレが切実に望まれていました。周囲の人々から疎まれながら物乞いをして生計を立てているとのことで、あまりにも悲惨な状況に心が痛みました。

近隣の住民の偏見をなくし、この人々の自立支援に取り組むランチYMCAの働きに協力することを目的として、ツアー参加者と賛同者によってフーロカールが設立されました。

活動としては、ハンセン病の学習会を手始めに2005年以来毎年2月にチャリティーコンサートを主催あるいは共催し、その益金を京都YMCAの国際協 力募金としてランチYMCAに送金してきました。そのほかの資金稼ぎとしてインド産の紅茶の販売も試みました。またフーロカールメンバーの有志がセンターに集会所を寄贈し、その施設は子ども達の教室としても使用されています。

ランチYMCAは、医療活動のほか義足などの医療器具支援、子ども達の教育などを行っています。私たちは大きなことはできませんが、現地の現状を広報すると共に多くの方々の賛同を得て、ランチYMCAのハンセン病プログラムの支援活動を続けたいと願っています。

ランチハンセン病患者・家族支援の会「フーロカール」
代表 亀井 剛
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OUTDOOR CLUB&CAMPリーダー会

 私たちの野外活動には毎月1回活動を行うアウトドアクラブと、夏休みや冬休みなどの長期休暇を利用して行われるキャンプがあります。

アウトドアクラブでは幼児年少~高校3年生までを対象に11 チームが毎月活動しています。それぞれのチームで年度当初にミーティングを行い、仲間との関わりの面、自然やアウトドア面などについて年間目標を考え、それに基づいたプログラムを行います。チームによって様々な特色があり、アウトドアに積極的に取り組み、ロープやテント、コンパスを用いてキャンプ、登山を行うチームや自然に着目し、様々な疑問をとことん追求するチームなどがあります。その他にも、1年間リトリートセンターで活動したり、大人顔負けのキャンプを行ったりとそれぞれのチームの活動は多岐にわたっています。リーダーたちは、毎月の活動の中でも、年間目標に近づくために各月の目標を決め、またそのプログラムをより楽しくするため、安全に進めるために毎週ミーティングを行い、下見に行くなどしており、実際に子どもたちとプログラムに行く時も様々な働きかけを行い、子どもたちの成長を願って活動しています。

夏のキャンプは主にサバエキャンプ場で行われます。7月のワイズメンズクラブの皆様とのキャンプ場の設営に始まり、9月に閉営するまで約2ヶ月間リーダーたちはサバエキャンプ場で汗を流します。キャンプのリーダーとして子どもたちと関わるリーダーはもちろん、キャンプ場のスタッフとして薪割や掃除など様々な仕事をするリーダー、キッチンのお姉さんとして誰よりも早く起き、誰よりも遅く寝るリーダーたちなどたくさんのリーダーが関わっています。暑さに体力を奪われ、外の世界とは切り離された生活に人間の限界を感じることもありますが、毎年秋になってキャンプ場が閉まると翌年の夏が楽しみになるのが不思議です。

冬のキャンプは主にスキーキャンプを行っています。12月の終わりと3月の終わりには志賀高原で最長7日間の長期キャンプを行います。3年生から6年生の小学生スキーには100人を超える子どもたちが参加することもあり、京都YMCA最大のキャンプとなっています。長いキャンプだけに子どもたちだけでなく、リーダーたちにもたくさんの思い出があり、冬が終われば春の、そして春が終われば翌冬のキャンプが楽しみになるというように思い入れのあるものとなっています。2月の毎週末に行われる箱舘山でのスキーキャンプと合わせて、たくさんのキャンプが行われています。

このように野外活動では季節を問わず、様々な活動を行っています。それぞれの活動においてたくさんの子どもたちと出会い、その出会い1つ1つがリーダーにとってやりがいとなり、財産となっています。子どもたちにとってもそのような活動でありたいと願っています。

2014 年度 リーダー会運営団団長
伊藤 佑
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