京都青年2014年6月号 記事一覧
2014年、ワイズメンズクラブ京都部の3つのクラブが記念の年を迎えられました。
活動報告
夜桜フェスタ
ユニバーサル映画上映会
活動紹介 ~YMCAにつながるわたしたち~
京都パレスワイズメンズクラブ
京都ウエストワイズメンズクラブ
京都福祉情報ネットワーク(win-kyoto)
ウィズキッズスマイル
未来のYMCA運動への期待
アジア太平洋YMCA同盟
総主事 山田 公平
変化の激しい今日、5年後の姿も想像しかねるほど状況が変わりつつあります。しかし、多くの先進諸国で同じ方向に向かっているようにも思えます。それは、(1)行政が本来やっていた仕事(教育、健康、医療福祉、保育、スポーツなど)が、次々と民間に委託されていること(2)観光、スポーツなど「レジャー」と呼ばれていたものが、健康維持や学びに必要な活動という拡がり方をしていること(3)生活が豊かになり、快適に、より便利になる一方、人々は、不満を感じ、利己的になりつつあるという矛盾が起きていること(4)世界の人口は増え続けても、先進国では人口が減少し、高齢化が急展開していることなどです。
さて、こんな将来社会において強いYMCAの条件は何でしょうか。
一つ目は、「YMCAはユースのためにある」というイメージの定着。世界YMCA同盟もこれを誰もが認識できるようにすることを目指しています。若い人たちが活動を企画し、その中でリーダーシップを発揮できるようになるかということが問われます。
二つ目に、社会状況の変化を先読みした動きができる柔軟で研究心の富んだあり方です。世界同盟では「若者の就労、健康、社会的参画そして環境」をYMCAがとりくむべき課題としています。アジア太平洋同盟では「地球市民教育、環境、教育的観光事業、YMCAにおける女性の参画、宗教を超えた平和活動」といった具体的な目標を挙げています。
三つ目はリソースモービリゼーションです。多くのYMCAでは、事業による収支差をもって若者の育成やボランテイア活動に充てるという「余裕があればやる」と言う発想でしたが、見直しが求められます。社会的に意味ある活動なら、寄付を集めるか、どこかの団体から資金を出してもらうような働きかけが必要です。社会のためにYMCAが道具になること、そしてYMCAに協力したいという人たちがリソースで、そういう力を集めることがモービリゼーションなのです。リソースモービリゼーションを成功させると、YMCAが社会的に見直されることにつながります。
四つ目は、YMCAの働きや特徴、そしてその効果を具体的に証明することです。
五つ目は、パートナーシップです。地域の行政と組む動きは先進国では当然の動きになっており、これからは、新たに教会や、大学、病院、あるいは福祉施設などと協力関係を築くことが大切です。病院は病気を治すところ、企業は収益を上げること、大学は学生の学びと就職、教会はキリスト教伝道を主な目標にしていますが、それだけでは満足しない社会です。企業は社会的存在価値が問われ、大学は研究を社会的課題解決につなげること、病院は病気の予防に力を注ぐことが求められる時代になり、YMCAのような団体と共に新しい社会づくりを提案する傾向にあります。世界でこういったパートナーシップが生まれつつあります。
そこで、創立125周年を迎えられた京都YMCAには、社会状況の変化を見通し、どういうプログラムが必要になるかを考え、具体的で、達成可能な目標を設定し、どういう効果が予測できるかを具体的に示していくことを期待します。そして、目標を共有できる団体や企業と協働し、その上で若者の参画を得、国際社会との関連を持つことなどがYMCAらしさをさらに強調することにもつながっていくと思います。こういった将来ビジョンに向かってどんどん進んでいかれることが私の願いです。
2014年、ワイズメンズクラブ京都部の3つのクラブが
記念の年を迎えられました。
(左から)
2月16日 京都東稜ワイズメンズクラブ 10周年記念例会
4月 5日 京都キャピタルワイズメンズクラブ 30周年記念例会
5月11日 京都めいぷるワイズメンズクラブ 30周年記念例会
3クラブがそれぞれ記念事業としてリトリートセンターに改修ご奉仕と寄贈をしてくださいました。
京都東稜ワイズメンズクラブは食堂棟天井・壁の改修工事、京都キャピタルワイズメンズクラブは障がい者の方にも使いやすいトイレ棟の新築、京都めいぷるワイズメンズクラブはみんなが集う野外ステージの改修をしてくださいました。
各クラブのみなさんがリトリートセンターに何度も足を運び、ご奉仕いただくことでさらに素晴らしい研修センターになりましたことを感謝をもってご報告いたします。
報告 神﨑 清一
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活動報告
夜桜フェスタ
4月20日(日)、宇治市にある京都YMCAリトリートセンターにおいて、京都YMCA創立125周年事業、今年で15回目となる夜桜フェスタを開催しました。1999年から始まった夜桜フェスタは、多くのひとが集い憩う場としてリトリートセンターを用いていこうという、ワイズメンズクラブメンバーを中心としたYMCA会員によって企画されました。
満開の夜桜のもと、スポーツ、アウトドアクラブなどのYMCA会友、今回も各ワイズメンズクラブのご協力により招待された、YMCA国際福祉専門学校の生徒やリーダー、ワイズメンズクラブメンバーなどのYMCA会員およびご家族、関係団体など、286名の方に来場していただきました。会場では食べ物屋台や関係福祉団体からの作品販売、京都YMCA創立125周年を記念しての国際協力チャリティーバザー、ステージではブルーグラス、ものまね、パントマイムなどの大道芸があり、たくさんの方で賑わい、ライトアップされた夜桜のもと、交わりの時を持つことができました。中でも、YMCA国際福祉専門学校日本語科のみなさんは、日本の春の花の象徴である桜のもと、他の参加者との「日本語」での交流も、楽しんでいました。
開催にあたっては、YMCA会員によるリトリートセンター専門委員会、ワイズメンズクラブメンバーを中心とした実行委員会において、屋台内容、ステージ内容などの検討を行い、当日をむかえました。また、京都にあるワイズメンズクラブのうち15クラブ、YMCAボランティアグループVOLATZから屋台出店や雨天対策のテント設営の協力や、京都エイブルワイズメンズクラブが日常的に支援をしている福祉団体の「こもれび」「野の花」にも作品販売をしていただき、ステージ出演者など多くのみなさまの協力によって、開催することができました。
ご来場ご協力いただきましたみなさま、ありがとうございました。夜桜フェスタの様子は、リトリートセンターFacebookページでもご覧いただけます。
https://www.facebook.com/kyoto.ymca.retreat.center
報告 藤尾 実
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ユニバーサル映画上映会
視覚に障がいのある方、聞こえ に障がいのある方も、その他身体に障がいある方も健常者と一緒に映画を楽しめるようにさまざまな配慮のなされた上映方式がユニバーサル上映です。 京都YMCAのボランティアビューローでは、このユニバーサル上映を行うことで多くの方に様々な障がいのある方をサポートする方法のあることを知ってもらい、ボランティアに参加してもらおうと5月10日(土)に同志社大学寒梅館で同志社大学社会学部との共同し、125周年記念事業として開催しました。
上映するにあたり京都リップルというグループに協力を依頼し、上映に合わせての字幕や、音声解説をしていただきました。当日は140名の方が来場されました。白杖をもって手引きの方と一緒にこられた方、盲導犬と一緒にこられた方、介助犬と一緒に車いすで来場された方など様々な方が来て映画を楽しまれました。今回上映した映画は、「RAIL WAYS 愛を伝えられない大人たちへ」という三浦友和と余貴美子の主演の映画でしたが、上映後に参加された方からは、「良かった」「楽しかった」「補聴器でも聞きやすかった」という声や、「先日は、映画を楽しませていただき大満足でした。ほんとうにありがとうございました。」など感謝の声が寄せられました。
上映後、ボランティアビューロー登録グループの紹介や、5月から始まる「ボランティア養成講座音訳(朗読)」のアピールもされました。
報告 加藤 俊明
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活動紹介 ~YMCAにつながるわたしたち~
京都パレスワイズメンズクラブ
パレスクラブの親睦と研鑽の取り組みに付いて少し書きたいと思います。
お陰様で、現在パレスクラブは西日本区最多のメンバーを有するクラブで有ります、その会員数によるスケールメリットでより多くの事業や活動を実践して居ります。しかし、なぜ多くの人々がクラブに集まるのか?それは、パレスメンバーが人数が多いだけでは良いクラブだとは思っていないからです。内容が伴い充実した活動が有り、その魅力で沢山の人が集まり、その結果会員数が多くなったクラブが真の優良なクラブだと思っているからです。しかし実際は相反して人数が多くなると、そのメンバー数の個性が集まり、クラブの活動に深く関わっているメンバーから入会間もない新人、職業も各種そして年齢も20代後半から70代まで実に多種多様なメンバーが在籍する事と成り、コミュニケーションがなかなか取れないバラバラな状態に陥りやすくなります。
そこでパレスが大切にしているのが、色々な形の親睦です。例会・委員会は勿論ですが、奉仕活動・同好会活動や飲み会などを通じ、親睦を深め親密なコミュニケーションを持ち活動をする。そこから生まれるメンバー同士の友情、そして互いに切磋琢磨し自己研鑽することで高められた自分自身を奉仕活動に結び付けることの連鎖。その連鎖がクラブを強化・良質化し、またより多く社会に奉仕・還元が出来る事となるのです。要約すれば、コミュニケーション+親睦+友情+研鑽=クラブの繁栄と充実した奉仕活動です!!
上記の理想に向けて親睦を大切に、日夜活動しているのがパレスクラブなのです。
京都パレスワイズメンズクラブ
第43期会長 小西 孝典
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京都ウエストワイズメンズクラブ
皆様初めまして京都ウエストワイズメンズクラブの塚本です。まずもって、京都YMCA創立125周年おめでとうございます。この様な長い歴史の中に少しでも関わりを持たせて頂いた事にクラブを代表いたしまして感謝申し上げます。
クラブ活動内容は、昨年度、京都部長、Yサ主査を輩出させて頂いた事もあり昨年はYMCAとのかかわり、リーダーのサポートに力を注いでまいりました。ウエストクラブの特徴といたしまして、一言で言うと「タレント揃い」だと思います。今までウエストクラブ並びにワイズメンを引っ張ってきた重鎮もいれば、30代のフレッシュなメンバーもいますし、ワイズメンを大空から撮影するメンバーもおります。なんといっても前期の部長、Yサ主査は女性です、我ウエストクラブは女性の力をすごく大切にするクラブだと思います。因みに今期の会長も女性です。
多種多様のメンバーが同じ方向を向きYMCAをサポートし、地域奉仕活動、ボランティアに力を注いでまいります。現在力を入れている地域奉仕といたしまして、西山竹林再生プロジェクトがございます。今年で4年目となり、荒れた竹林を整備し、現在では、春には筍狩りとバーベキュー、夏には流しそうめんと、地域の方々を交え地域奉仕と交流を楽しんでおります。
これからも35年40年と月日を重ね、歴史あるクラブ、そしてYMCA、地域の方々と共に成長していけるクラブになりたいと思っております。
京都ウエストワイズメンズクラブ
第34期会長 塚本 勝己
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京都福祉情報ネットワーク(win-kyoto)
パソコンを学んで広がる「世界の窓」現代の社会において、インターネットによる情報化の波は、非常に速いスピードでおそって来ました。視覚障害者(児)や高齢者・単独外出の困難なかたなど情報弱者といわれる人たちにとってパソコンの利用は情報の入手手段、職域開拓、ひいては自立と社会参加等の意味からも非常に重要なものになってきています。
当会はこうした人たちのパソコン活用・スキルアップをサポートして今年で15年を迎えました。活動を始めた頃は、全国的にもこのような活動をしているところは少なく、毎回多くの受講希望者がおられました。
近畿地域はもとより、三重県など遠方からの受講者もおられました。各地域で同様の活動が始まると、受講希望者は減ってきましたが、この15年間で、受講希望者がおられなかった期間は数ヶ月程度です。
積極的な広報活動などはしていませんが、口コミなどで、広がってきています。
これからも、地道に活動を続けていきます。パソコン指導など、当会にご興味をもたれた方からのご連絡をお待ちしています。当会の主な活動内容はつぎの通りです。
・主に視覚障害者を対象としたパソコンの操作指導(教室および、出張指導)
・iPad、iPhone の操作指導
・上記の体験教室、相談会の開催、サポーターの育成等
URL: http://www.win-kyoto.org/
E-mail:office@win-kyoto.org
京都福祉情報ネットワーク
園 順一
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ウィズキッズスマイル
ウィズキッズスマイルは、京都府立医科大学附属病院と京都大学医学部附属病院の小児科病棟を訪問するプログラムです。そこでは月に1回ずつ、入院している子どもたちと歌を歌ったり、人形劇をしたり、ゲームをしたり、クラフトをしたりという楽しい時間を過ごしています。私たちは普段キャンプリーダーとして活動し、並行してこの病院訪問プログラムの企画から実施に至るまでの活動をしています。入院生活をしている子ども達は、治療や検査によって身体的苦痛を強いられるだけでなく、日常生活で味わったことのない不安に襲われることもあります。病棟内は、空調によって常に温度、湿度は一定に保たれています。そのため病棟内では、外気に触れることはもとより季節を感じることもままなりません。また、病棟内への人の出入りも厳しく制限されているため、子どもたちが接するのは主に医療従事者と保護者に限られています。このように、入院中の子どもたちはとても限定的な環境の中で日々過ごしています。
入院中の子どもたちにとって、私たちボランティアリーダーは外部の人間と接することのできる数少ない存在であり、貴重であります。ですが病棟内には治療の影響などで免疫力が極端に低い子どもたちもたくさんいます。ですから私たちリーダーは、手洗いうがいによる感染対策はもちろんのこと、持ち込むものすべての消毒を毎回徹底し、万全を期しています。府立医大病院の小児医療センターには3つのプレイルームがあり、各40分ずつのプログラムを準備していきます。プログラムは毎月できるだけ季節を感じられたり、実際の体験に近くなるように心がけています。前述のように、健康な人と同じようにはできませんが、ちょっとした工夫をすることで違う形で外の世界を見せてあげることができます。例えば桜の花びらを押し花にしてラミネート加工することで、桜を手に取って春を感じることができます。新品のカヌーを持ち込み、ライフジャケットを着てパドルを持ちカヌーに乗ることで、実際に乗る体験をすることができます。その時には、カヌーの舳先にスクリーンを置いて、そこに実際にカヌーで漕ぎ進んでいる映像を映して臨場感を出すのです。このように限定された環境を最大限に使い、子どもたちがいろんなことを見たり、聞いたりの体験を通して楽しめるプログラム作りを意識しています。こうして入院生活に変化を与え、これが子どもたちにとっていい刺激になればと考えています。
私たちは子どもたちの病気を治療することはできません。しかしリーダーだからこそできる関わりがそこにあり、この活動が子ども達の精神的負担を和らげ、将来子どもたちが闘病経験を前向きに受け止めるきっかけになることを願っています。
ウィズキッズスマイル チーフリーダー
中村 晴子
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