クリスマスおめでとうございます。
日本聖公会京都聖三一教会
絵:日本画家 坂井昇氏(京都YMCA会員)
闇の中を歩む民は、
大いなる光を見
死の陰の地に住む者の上に、
光が輝いた。
イザヤ書9章1節
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生まれ変わったYMCA ~公益財団法人誕生まで~
2011年に京都YMCAは、主の惠みの下、理事・常議員、各委員会の委員、そして会員、ボランティアの力の成果として新しく公益財団法人としてのスタートをきることができました。これまでの京都YMCAの長い歴史と多くの人の想いを基にしてその上に新しい形を作り上げました。それを形にするまでの苦労と経緯を「公益法人タスクチーム」の座長として進めていただいた西脇稔さんに述べていただきました。
* * *
財団法人京都キリスト教青年会から公益財団法人へ、この公益という二文字を頭に付ける作業が始まったのは2004年12月でした。最初は分からない事ばかりで「公益目的事業とは何か」から始まりました。認定法では23に分類された事業であって不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものといとも簡素に書かれていました。YMCAはもともと広く一般市民に開かれたYMCAを目指していますからこれを更に推し進めていけば良いと理解しました。タスクチーム会議は分からないこと、心配事の連続でした。寄付行為から定款への移行、事業活動に占める公益目的事業比率が50%以上であること、なぜ公益でなければならないのか財政難のYMCAは税制の優遇措置が得られない一般財団法人でもいいのではないか、財団法人よりも会員の集合体であるYMCAは社団法人の方が向いているのではないか、会費制度の是非、更にこれまで理事会が最高の議決機関であったのに理事会を監督する評議員会ができる。理事会より権限の大きい評議員会とはどのようなものなのかなどタスクチームは毎回これら難題に対してすぐには答えが出ない会議の連続でした。
チーム発足当初から最も大きな課題は会員組織の位置づけでした。これを新法人ではどのような形で組織に組み込んでいくのかが課題でした。これまでは総会で正会員の中から常議員が選ばれ常議員会で理事が選ばれ会員の意向が理事会に反映される仕組みがありました。会員はYMCAの運営に直接参加できたのがYMCAの特徴でした。この伝統を新法人に引き継いでいくにはどうすればよいかが最大の課題でした。結論として会員の中から代議員を選び代議員は評議員や理事、常置委員会委員長の候補となるという仕組みが出来ました。
この後は申請に向けて定款の作成など準備が加速します。そして2010年12月27日20時36分電子申請のボタンが押されました。結果待ちの間も諸規定の整備や認定審査会からの補正の求めに応じ8月10日に待望の答申が出て10月3日に登記が完了しました。
7年に及ぶ作業を振り返って思うのはタスクチームの人材に恵まれたこと、膨大な書類の準備や主務官庁との対応に精力的に取り組んでいただいた主事と職員の働きがあった。公益財団法人京都YMCAの誕生という歴史的瞬間に立ち会った理事、常議員はじめタスクチームのメンバー、主事と職員は幸せな時を共有できたと思います。同時に公益の名に恥じない事業展開と次の世代に引き継いでいく責任もあります。
最後に28回開かれた会議には必ず開会祈祷を捧げた。目的が達成された今やはり神の導きがあったと確信しています。
公益法人タスクチーム
座長 西脇 稔
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活動報告
平和のつどい
京都YMCAでは、毎年「平和のつどい」として平和を考える集会を長年持ってきました。
今年は、何をテーマにしようかと実行委員会を積み重ねました。3月11日に起こった東日本大震災で、原発事故により放出された放射能は広範囲に広がり私たちの生活や考え方に大きな変化をもたらせました。様々な情報が飛び交うなか目に見えない放射能の不安は広がり食品の安全も脅かされています。そこで、今年の平和のつどいでは、放射能問題を取り上げ、本当のことが知りたい「放射能のからだと食に与える影響」をテーマとすることとしました。そして、本当のことを正しく理解して行動し、工夫をしながらみんなで支えあって生きていくことを願い2回シリーズの集会を企画しました。
第1回目の10月15日(土)は、福島市から京都伏見へ避難してこられた桃山東合同宿舎避難者の会「ふれあいの会」代表の西山祐子さんと反核医師の会代表世話人の三宅成恒さんのお二人に「福島で何がおきているのか、放射能の健康に与える影響」についてお話いただきました。西山さんは小さいこどもを抱えての避難生活の苦労、健康、将来への不安、ふるさとへの思いを怒りを込めて訴えられました。三宅さんは医師の立場から、放射能の健康への影響がどの様に出てくるかはわからないことが多く、長い期間にわたる健康診断などの追跡調査が必要だと訴えられました。
第2回目の10月29日(土)は、京都生活協同組合品質管理マネージャー佐々木裕司さんに「食の安全は守られるのか」をお話いただきました。
市場に出回っている食品については産地や流通段階で検査が行われているので安全だと思うが、京都生協や国が出しているホームページを参考にして欲しいと訴えられました。
会場はほぼいっぱいとなりメモを取りながら聞いている人もおり、活発な質疑応答の中で放射性物質の除去方法などについての質問も出てきました。
2回シリーズの「平和のつどい」の学習会を終え、放射能問題とはこれから長く付き合うことになるので、本当のことを知って正しく理解し正しい行動を取ることの必要性を改めて認識しました。
平和のつどい実行委員長
日丸全士
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専門学校「YMCA祭」
去る11月3日、専門学校主催の〝YMCA祭〟が行われました。
当日は、専門学校の卒業生や在校生の保護者を始め、英会話・体育・野外のメンバーや近隣住民の方々のべ450名(当校学生含む)に来館頂きました。
介護福祉学科の学生は、授業で学んでいる「アロマハンドマッサージ」の実演や、車椅子体験、目の不自由な方の体験をするコーナーなど、日ごろの学習成果を披露してくれました。
模擬店では介護福祉学科の学生によるたこ焼き、めいぷるワイズメンズクラブ・プリンスワイズメンズクラブ・ウエストワイズメンズクラブのご協力による焼きそば、ホットドッグ、わらびもちがあり、お祭りムードを盛り上げてくださいました。
また、日ごろお世話になっている福祉施設にもご協力いただき、各施設のオリジナル商品の販売コーナーを設け、手作りの小物やクッキー、東北地方の物産など、心温まる商品が並びました。
ロビーの特設ステージは京都ワイズメンズクラブの協力で日本語科に通う留学生による日本語の歌の「のど自慢大会」、介護福祉学科の学生によるパフォーマンスが行われました。ともに大いに盛り上がり、三条通を行く方々も足を止めて、ステージを観覧されていました。
今回は〝Ustream (ユーストリーム)〟によるネット動画配信中継を行いました。これにより、フィリピン出身の学生がのど自慢大会に出ている様子を、この中継を通して母国でお母様がご覧になられ、感激されたというエピソードもあり、留学生も、母国の保護者とも満足していただいたようでした。
年齢や性別、国籍の隔たり無く、みんなが楽しく過ごせた一日になったことと思います。
YMCA祭での収益金は全額、日本YMCA同盟を通じて、東日本大震災の被災地域のコミュニティ復興と被災YMCAの支援として、捧げさせて頂きます。
ご協力頂いた皆様、来館頂いた皆様には、厚くお礼申し上げます。
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国際協力街頭募金
京都YMCAでは毎年、「世界中の紛争や災害・飢餓で苦しむ子供たちを救おう」をテーマに国際協力募金を行っています。今年も11月6日に京都市内11ヶ所にて募金活動を行いました。
当日はあいにくの雨でしたが、在京ワイズメンズクラブ会員、専門学校生、ボランティアリーダー、YMCAプログラム参加の子供達、ワイズメンズクラブサポート施設の先生方、子供達総勢約200名の方々にご参加いただきました。
当日の正午より、京都YMCA阿部和博主事より「YMCA国際協力について」をテーマに、貧困や飢餓で苦しむ子供たちの現状や、国際協力募金がどのように使われているのかについての報告が行われました。雨の中、午後1時より各担当地点で募金活動を開始致しました。天候の為か例年より人通りも少なかったですが、参加者は一丸となって街頭で募金を呼びかけました。そして募金をいただいた方々にはチラシをお見せして、国際協力募金の主旨も説明させていただきました。
道行く方々にYMCAの国際協力プログラムを知っていただき、そして募金いただいた方々の温かい思いが現地の子どもたちに届く事を願います。
当日の募金総額は190,256円でした。多くの方から頂いた国際協力募金は、京都YMCAや日本YMCA同盟を通じて世界のYMCAネットワークを活用して行う国際協力活動に使わせていただきます。
皆様方の温かいご理解とご支援に、心より感謝申し上げます。
国際専門委員会委員長
牧野 万里子
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YMCA・YWCA 合同祈祷週プログラム
11月17日に、2011年度YMCA・YWCA合同企画プログラムがフリージャーナリストで「イラクの子どもを救う会」代表の西谷文和氏を講師に迎えてマナホールで開催されました。コロッケ、サラダとパンの軽食をいただいた後、京都YWCAの活動紹介があり、その後西谷さんの講演が始まりました。
本人の出演されたテレビ報道の映像を多く交えながら話され、30年間戦争が続くアフガンでは、1個300円ぐらいで買える地雷が多数埋められていますが、その撤去には1個3万円ほどかかるとのこと。そこで、米兵の死傷を少なくする目的で空爆が多用されるに伴い誤爆が起こっており、それによる自爆テロとの負の連鎖が果てしなく続いているそうです。また、最近では米兵の死傷を防ぐため、無人機による空爆が行われ戦争の無人化が進んでいるそうです。
西谷さんは劣化ウラン弾で被爆した子どもたちを支援しており、昨年12月には落語家たちと「国境なき芸能団」を編成しイラクに行っておられます。「イラクの子どもを救う会」は2003年から始まり、西谷さんは薬や毛布等の支援物資をイラクに運び、誰かに託すのではなくて、自分で病院を訪問し、直接配ってそして取材するという方法で活動しておられます。
西谷さんの話は、このたびの福島第一原子力発電所事故に及び、原発事故で広がった放射能は、健康には直ちには影響が出てくるわけではないのですが、劣化ウラン弾やチェルノブイリでの内部被爆の影響はだいたい5年後にガンなどの症状が出てきているそうです。日本では、太平洋戦争の後国民は戦争についてはだまされないと思っていたけれど原発でだまされていたと、電力会社のコマーシャルを例に話されました。電力会社は広告する必要のない独占企業ですが、電気料金が「総括原価方式」に基づいて算定されるうまみがあるので広告の最大のスポンサーとなっているとのこと。原子力発電のコマーシャルがあれだけ流されてきたのは、費用が高ければ高いほど電力会社が儲かる仕組みになっているそうで、結局負担は電気料金の値上げとして国民に回ることになります。
その後質疑応答の時間も持たれ、電力不足が叫ばれているなかで、民間で発電してもなかなか電力会社は買わないと言う事を北海道の風力発電の例を出してお話されました。
この日の参加者は、49名で、活発な質問もあり関心の高さが伺われました。
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リトリートセンター オータムフェスタ
11月23日、リトリートセンターにおいて、今年で11回目となるオータムフェスタを開催しました。
屋台では、秋らしいメニューとして松茸ご飯や焼き芋、ぜんざい、石窯で焼かれたナンやピザが大盛況でした。また、今回は東日本大震災により福島県から京都に避難生活をされている方々のグループが東北名物の芋煮の炊き出しをしてくださり、これを含めて合計12種類の豊富なメニューが並びました。
この他、作業所や授産所などの福祉団体からの作品販売や、地元農家で栽培されている採れたて野菜や新米などの販売コーナーも、たくさんの方で賑わいました。
ステージでは、フラダンスの出演、ジャズバンドの演奏がありました。YMCAリーダーによるこどものあそびコーナーでは、来場した約100名の子ども達が入れ替わり立ち替わり押し寄せて大賑わいでした。
途中、降雨のため綱引き大会は中止しましたが、代わりにエントリーされた10チームで商品争奪のじゃんけん大会を行い、大変な盛り上がりようでした。
来場者は、大人313名、子ども105名で総計418名となり、過去最高の来場者数となりました。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
今回のオータムフェスタでは、京都にあるワイズメンズクラブのうち16クラブから屋台出店などの協力をいただきました。また、先に触れた芋煮の炊き出しをしてくださった「ふれあいの会」さん、福祉団体の「こもれび」さん、「みっくすはあつ」さん、「ぐんぐんハウス」さん、「成望館」さん、「NPO法人SORD(ソルド)」さん、野菜や米、茶を販売してくださった地元関係者の皆さんやステージ出演者、YMCAリーダーなどたくさんの方々の協力によって、開催することができました。心より感謝を申し上げます。
また、パレスワイズメンズクラブより屋外型キッチンストーブが寄贈され、贈呈式が行われました。大切に使用させていただきます。ありがとうございました。
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贈り物
2011年度、ワイズメンズクラブよりいただいた寄贈品を紹介いたします。心より感謝申し上げます。
今後、YMCAプログラム等で有効に使用させていただきます。
【京都ZEROワイズメンズクラブよりリトリートセンターへ】石窯、おくどさん
【京都みやびワイズメンズクラブより】 ユニカール道具一式
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