京都青年 2016年12月


京都青年2016年12月号 記事一覧

クリスマスは光の園に

活動報告
国際協力街頭募金
YMCA学園祭
熊本地震を通して考える 民間の災害支援のあり方
一緒に考えましょう「減災」
京都YMCA・京都YWCA合同祈祷週 誰も置き去りにしない~すべての人が安心して生きられる社会を目指して~
YMCA祭in舞鶴


クリスマスは光の園に

 

日本キリスト教団 室町教会 牧師 浅野 献一

クリスマスを迎える季節は、きっと多くの人にとって、特別な光が舞い降りた時として感じられた ― いえ、今も感じられているのではないでしょうか。

日が早く暮れゆき、夜が長くなっていく。そして寒さが身に沁みて、肩をすぼめながら、帰路を足早に歩きゆく。ある一面だけを見つめれば、侘びしさと暗さとに心沈みゆきそうになります。
でも私たちは知っています。寒さを感じるほど、夜の暗さが周りを包むほど、ストーブの暖かさときらめく光の時が近づいていることを。ろうそくの炎を模したイルミネーション灯る光の木々が街中に現れ、キャロルと降誕の讃美歌が響き渡る、その最中。大好きな人の笑顔を思い浮かべ、クスッと一人口元を緩めながら、プレゼントを用意して、待ち望む ― この暗い、でもくしき光の輝くスペシャルな夜へ。

「光は暗闇の中で輝いている」(ヨハネによる福音書1:5)

私のクリスマスイヴの原風景は、雪が天から舞い降る、燭火讃美礼拝から帰る雪の道。いつもと違うともし火に照らされた教会。イヴの旭川では、雪がいつも降っていたように感じます。夜なのに完全な闇ではありませんでした。雪雲は薄いピンク色に灯っていて、光が凝ったような雪が、哀しみに凍えた地を覆いつくしています。綿の布団のように柔らかな雪 ― それは、きっと光が「かたち」を得て天から降りてくる。光が降る ― 光がフリツモル。氷点下の中に凍えているはずなのに、どこか温かい、そのイヴの夜。「今夜にはサンタクロースがやって来て、プレゼントを置いていってくれる」

「今日、ダビデの町であなたがたのために救い主がお生まれになった」(ルカによる福音書2:11)

ワクワクする思いが抑えられず、またあまりにも柔らなお布団のように思えて、雪の中に飛び込んでしまう。「バフッ」と音を立て、身体はそのこんもりとした雪に抱きとめられました。スローモーションのように綿雪が舞い上がり、その後に訪れる静けさと頬にあたる雪の冷たさ。綿雪の舞い上がる光の園に身体ごと受けとめられ、包まれました。すべてを投げ出して飛び込むとき、柔らかな光の結晶は、キラキラと輝きながら、寒く暗い中に舞い上がるのです。
私たちの人生の歩みに、痛みの雨が降り、孤独の寒さに凍え、先の見えない暗さの中に怯える時にも、きっと天から光が舞い降りて受けとめてくださると、クリスマスを思う時に信じることができるのです。くしき(不思議な)光は、一緒にいてくださると。

「見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み/その名をインマヌエルと呼ぶ」(イザヤ書7:14)

クリスマスの、この光満ちる季節を安心して、ぬくもりを抱いて歩みゆきたい。どんな時代であっても。
クリスマス、おめでとうございます。

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活動報告

国際協力街頭募金

京都YMCAでは10月を「国際協力月間」として、さまざまなプログラムを企画してきました。その締めくくりとして10月30日(日)、国際協力街頭募金を実施しました。

京都市内10か所で行われた募金活動には、延べ310名にご参加いただき、総額324,979円の募金が寄せられました。当日はワイズメンズクラブの皆様をはじめ、スイミング、体操、サッカー、バスケットボール、アウトドアクラブ、サマーキャンプ参加の子ども達、ユースリーダー、保護者の方々、日本語科留学生、国際ボランティア会、VOLATZと、京都YMCAに集う多くの人々が声を張り上げ、募金の呼びかけを行いました。
また、参加した子ども達は、募金活動の前にそれぞれのグループ内で世界の国々や募金のゆくえについて学びを深めてから募金活動に臨みました。

今回多くの市民の皆様から寄せられた募金は、日本YMCA同盟を通じ、長引く紛争で負傷したパレスチナの青年達、アフガニスタン難民、貧困により教育を受けられない子ども達、自然災害により困難な生活を強いられている人々のために使わせていただきます。
国際協力街頭募金にご参加、ご協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。

国際協力月間はこれにて終了しましたが、これがゴールではありません。この期間中に知ったこと、感じたことをきっかけに、これからもふとした瞬間に、ほんの少し、世界で起きている出来事に思いを巡らせていただければと思います。

報告 京都YMCA国際担当スタッフ 關 つぐみ
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YMCA学園祭

秋晴れの11月3日(木・祝)、京都YMCA国際福祉専門学校の学園祭を開催しました。今年のテーマは『作ろう、思いやれる、支え合えるWa!』。
福祉の専門家を育てる学校として周辺地域の皆様にも役に立つ場所になりたい、またアジア等の国々から留学生として日本語を学んでいる学生達を身近に感じていただきたいと考え開催しました。

1階ロビーの特設ステージで行った介護テクニック講座では「どうやって力をかけずにベッドから車いすに移動させてあげられるか」等が紹介されました。来場者からはいろいろな質問も出て、高齢者のいる家庭のみなさんのニーズに応えられるステージとなりました。「介助犬の働き紹介」では、介助犬協会から2匹の介助犬とスタッフがお越しくださって、介助犬の仕事についてや、「補助犬」と人間の関係について詳しく知る機会となりました。

今年の特徴は、日本語科の学生たちが多く参加できたことです。模擬店の実施や、福祉施設の物品販売、ステージでの多言語講座やアジアの歌の披露など、福祉に国際色の加わったYMCAならではの展開となりました。多言語講座は中国、韓国、ベトナム、フィリピン、タイの留学生と先生とのやり取りで、簡単な各国語のあいさつや会話を楽しめる楽しいステージでした。今年の入場者は約260人と盛況でした。ワイズメンズクラブの皆様をはじめ多くのご支援とご協力がこの催しを盛り上げてくださいました。皆様に感謝いたします。

なお、今年の学園祭の収益は熊本地震被災者支援と介助犬協会の介助犬養成のために寄付させていただきました。

 報告 京都YMCA国際福祉専門学校 副校長 久保田 展史
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熊本地震を通して考える 民間の災害支援のあり方

当講演会は11月3日(木・祝)に行われた京都YMCA学園祭のプログラムの一環として実施されたもので、地震発生当初から復興支援活動の最前線で働かれている公益財団法人熊本YMCAより、本部事務局長の神保勝己氏を報告者としてお招きしました。

地震発生当初から今日に至るまでの半年余りの期間、熊本YMCAは自らが被災した当事者でありながらも、職員一丸となって益城町と御船町の避難所や阿蘇YMCAボランティアセンターの運営に尽力されました。その他にも公的・民間問わず様々な団体や個人がそれぞれの想いや立場で支援活動に関わる事になるのですが、先述の施設においては熊本YMCAがその中心にあって、常に被災者目線での復興支援活動を心がけられていた事がよく分かりました。

熊本地震に際し、京都YMCAとして主体的におこなった復興支援活動として募金活動やボランティア派遣などがありますが、現地での受け入れや調整については熊本YMCAにお世話になりました。
また、京都YMCAが正会員として加盟している京都府災害ボランティアセンターを熊本YMCAに紹介する役目を担った事によって、同ボランティアセンターによる復興支援活動が円滑に進められる一助となった事は、災害発生時における「公」と「民」の連携が効果的に作用した例と言えるでしょう。

益城町と御船町の避難所は10月31日をもって閉鎖されましたが、熊本MCAは今後、仮設住宅に移られた被災者の支援に移行されるそうです。
引き続き皆様のご支援をお願いします。

報告 ボランティアビューロー専門委員 人見 晃弘
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一緒に考えましょう「減災」

11月11日(金)京都YMCA三条本館マナホールにて、講師に京都中京消防署 太田仙行氏をお招きし、第3回防災ワークショップ「一緒に考えましょう『減災』」を開催しました。

第1回は「震災」、第2回は「水害」に関連した内容ですすめてきましたが、第3回は防災ワークショップの締めくくりとして、災害による被害を、できるだけ小さくする取り組み「減災」をテーマとしました。

いつどこにやってくるかわからない災害に対して、自分の身は自分で守る「自助」や、地域のコミュニティーや家族など身近にいる人どうしが助け合う「共助」こそが、災害を少なくするための大きな力となることをお話しいただいた後、ならば「私たちには日頃どんな減災の取り組みができるのだろうか?」「自分でできることは?」、「家族でできることは?」、「ご近所と力を合わせてできることは?」などについて、3つのグループに分かれ、一緒に考える時間を持ちました。

今回は参加者が14名と少人数ではありましたが、「減災」に役立つアイディア、取組などのたくさんの貴重な意見が交わされました。今回のこのワークショップを通じて、少しでも「減災」について意識をもっていただければと思います。

報告 活動推進専門委員 北川 雅俊
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京都YMCA・京都YWCA合同祈祷週
誰も置き去りにしない~すべての人が安心して生きられる社会を目指して~

11月12日(土)京都YWCAホールにおいて、2016年度YMCA・YWCA合同祈祷週集会「誰も置き去りにしない~すべての人が安心して生きられる社会を目指して~」が行われました。
障がいがある人とそうでない人とのバリアーを真の意味で解消し、共に生きることを実践していくために、私たち一人ひとりにできることを考える機会として企画され、YMCA・YWCA合わせて約40名が参加しました。

最初に2名の講師の方から発題が行われ、前半は、平田義さん(社会福祉法人イエス団 愛隣デイサービスセンター・空の鳥 施設長)より、障がい者の暮らしや福祉に関する日本社会での現状について、地域で生活される自立障がい者の方や、常時医療的ケアが必要な若者との交流を通して体験されたことに触れながら、わかりやすくお話をしていただきました。
後半は、村田惠子さん(NPO法人 京都頸髄損傷者連絡会 会長)より、障がいを持つ女性の当事者としての立場からお話をいただき、貴重な内容を伺うことができました。今でも本人の同意なく行われる強制不妊手術や中絶など、障がいのある女性に対する差別が存在し、日常生活においても女性として否定され人として尊重されない場面が多々あるとのことです。それらの差別撤廃のため、ジュネーヴでの活動や京都府の条例制定などに広く関わって来られたとのことでした。

続いて参加者によるグループトークが行われ、発題を受けて様々な意見が出し合われました。まずは障がいのある人の現状について知り、皆で交わって一緒に考える関係を作りだし、お互いに理解し合うことが必要ではないかと感じた次第でした。学びを皆で共有でき意義ある機会となりました。

報告 活動推進専門委員  河合 久美子
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YMCA祭 in 舞鶴

11月13日(日)に「YMCA祭in舞鶴」を開催しました。
プレイベントとして12時から舞鶴赤れんがパークにて「熊本地震復興支援協力募金」を行いました。パークにお越しの観光客の皆さんから支援金を頂戴しました。

そして学内では焼きそば、から揚げ、トルティーヤ、ポップコーン、たこ焼き、とん汁等々の模擬店を出しました。舞台ではイントロクイズ大会や「マジック笑」として谷田吉久さんにお越しいただき楽しいマジックショーをしていただきました。学生のパフォーマンスダンスやビンゴゲーム大会など学生も楽しめる学園祭となりました。また、北京都フロンティアワイズメンズクラブ・京都ウエストワイズメンズクラブの方々にもボランティアでご協力いただき募金活動や模擬店の運営に携わっていただきました。街頭募金に加えて模擬店の売上の一部を「熊本地震復興支援協力募金」とさせていただくことができました。

ご協力いただいた皆様、ご来校いただいた皆様、ありがとうございました。

報告 舞鶴YMCA国際福祉専門学校 副校長 阿部 和博
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