京都青年 2017年6月号


京都青年2017年6月号 記事一覧

そうだ! 子どもを成長させる組織キャンプに行こう

活動報告
YYYフォーラム
サバエ教育キャンプ場で飯盒ご飯を食べよ~う!
国際ボランティア会トレーニング

特集
特集①:京都Yのわくわく事業紹介
特集②:「みつかる」「つながる」「よくなる」YMCA


そうだ! 子どもを成長させる組織キャンプに行こう

京都府キャンプ協会 会長  黒木 保博
(公益財団法人京都YMCA 評議員)
(学校法人京都YMCA学園 理事・評議員)

あるテレビ番組で、「グランピング」(Glamping)を紹介していました。
グラマラス(glamorous:魅力に満ちた、魅惑的な)とキャンピング(camping)の造語です。大自然という環境の中で、高級ホテル並みの快適なサービスによるキャンプが体験できる新しいアウトドア・スタイルとのことでした。たとえば、冷暖房完備の二重構造の常設テントの中にはセミダブルベット、洗面所、ソファがありました。用意してある食事を食べるだけで、わずらわしい準備は一切不要です。グランピングでは、大自然の中でのキャンプでしか得られない魅力を多くの人に味わってもらうことが可能になるとのことでした。ここまで充実したサービスがあるのかとちょっとびっくりしました。もちろん、グランピングを利用しなくても、テント、寝袋、便利な調理備品等を車に積み込んで、整備されたキャンプ場で楽しむファミリーキャンプ、グループキャンプは全国各地で普及し、手軽に楽しまれています。

このように家族あるいはグループで、気軽に不自由さもなくアウトドアを親しむことができる時代になりました。キャンプ大好き人間がさらに増えていくことになります。一部の人達のキャンプではなく、誰でも手軽に楽しめるキャンプ時代になったといえます。

では、これらのキャンプと京都YMCA等の青少年団体が伝統的に実施してきた「組織キャンプ」との共通点、相違点は何でしょうか。

共通点としては、数日の時間ですが、子ども達の自宅がある日常的都市生活から離れ、非日常的で素朴な生活を楽しむことができることです。
第二には、恵まれた大自然の環境を大いに活用できることも共通点です。夕焼けや日の出の美しさを感じ、都会よりもよく見える星空を楽しむことができます。自然への興味関心が一層沸いてくることになります。

相違点となる特徴もあります。第一には京都YMCA等の青少年団体は、その組織の創立理念に基づいて、重要な事業としてキャンプに取り組んできました。長年、蓄積したキャンプ計画・実施・評価を持っていることから、信頼に裏付けられているといえます。
第二には、その理念をしっかりと理解した経験豊富な専門スタッフ、ディレクターがいることです。
第三には、そのディレクターから年間を通じたトレーニングを受け、キャンプに必要な知識と技術を身につけた学生ボランティアリーダーがいることです。子ども達のお兄ちゃん、お姉ちゃんとして一緒にキャンプ生活を過ごします。安全で安心してキャンプ生活を楽しんでもらえるように取り組んでいます。これらの大学生リーダーも実は子ども達に接し、一緒にキャンプ生活を過ごす過程で、自分たちも成長していくことになります。
そして第四には、学校生活、日常生活では経験したことがない楽しいキャンプでの共同生活とプログラムを、同年齢・異年齢の「仲間」と一緒に過ごすということです。
これらの特徴から、このキャンプには教育的意義や効果があると期待されます。

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活動報告

YYYフォーラム

ワイズメンズクラブ京都部主催で毎年開催している「YYY(YMCA、Y’s 、Yourth)フォーラム」を4月28日(金)午後7時から京都YMCAマナホールにて、今年は『YMCAブランディングを考える』をテーマに開催しました。

日本のYMCA全体で一昨年(2015年)から取り組んできたYMCAブランド再構築の成果として、昨年(2016年)6月にブランドコンセプトが定められました。そこで、今年128年を迎える京都YMCAがこれからどこを目指してその事業を進め、また広げて行くのかを一緒に考えよう!という内容です。

参加者は、ワイズメンズクラブとして、次期以降に更に推進が必要なテーマであることから、次期も見据えた立場の参加も呼びかけたこともあり、YMCA職員も加えて総勢約50名、会場はほぼ一杯の状況でした。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

プログラムは、廣井武司京都部部長の主催者あいさつ、加藤俊明京都YMCA総主事からのオリエンテーション、そして講師としてYMCAせとうち(岡山)からお迎えした太田直宏総主事の講義へ。折に触れて7~8人編成のグループに向けて講師から「先ほどの~~について~分間、班の中で意見交換して下さい」と参加者それぞれの言葉で語り合う時間が持たれ、和やかに各グループ盛り上って語り合いながら理解を深めることができました。

日本のYMCA全体で取り組んでいるこのブランディングについては、まもなく、「ブランドスローガン」や新しいロゴなどさらに具体化された内容が発表される予定です。
今後はYYYフォーラムで学んだ内容も踏まえながら、YMCAに連なる一人ひとりがさらに理解を深め、取り組んでいただければと思います。

報告 ワイズメンズクラブ京都部YMCAサービス・ユース事業主査
太田 雅彦

☻ YYYフォーラムとは…
1998年11月、ワイズメンズクラブ東西日本区合同で開催されたのをきっかけに、以後西日本区では1999年よりワイズとYMCAの協働理解のために毎年開催されている勉強会。
ワイズのYMCAサービス・ユース事業及びYIA(Youth Involvement and Activities)への育成活動の原動力ともなっている。

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サバエ教育キャンプ場で飯盒ご飯を食べよ~う!

4月29日(土)、京都YMCAと京都プリンスワイズメンズクラブ共同で、「飯盒ご飯を食べよ~う!」をサバエ教育キャンプ場にて開催しました。遡れば2年前、なぜかふっと飯盒のご飯が食べたいと思い、同じプリンスクラブの宇高ワイズに相談したところから始まり、今回で3回目の開催です。

現代はあまりにも便利な生活となり、ボタンを押せばご飯ができ、コンビニに行けば24時間ご飯が食べられます。しかし、私自身、昔グループでよく山に出かけていたように、薪を集め火をおこし、お米を磨ぎ、水加減に注意して飯盒でご飯を炊いてみたら、きっと楽しい経験ができるのではないか。そうだ、サバエ教育キャンプ場の年間利用にも貢献できるのでは、との思いもあり企画しました。

当日は、YMCAスタッフ、リーダーにも協力いただきました。参加者は一般申込の4家族とワイズメンズクラブからの3家族、スタッフ・リーダー合もわせて大人22名、子供9名、幼児1名にご参加いただきました。
開会挨拶、オリエンテーションの後、いよいよ食事の準備。今回は、飯盒にエンドウ豆が入った豆ご飯、野菜炒め、アルファ米炒飯、コーンスープ、デザートはプリンスクラブ自慢の焼パイナップル、フルーツポンチとかなり贅沢なメニューとなりました。

子ども達は薪集め、お父さん達が火の番、お母さん達は野菜炒めとデザートの準備と全員の協力で12時半には昼食の準備ができました。屋外で食べる予定が、突然の天候不良(まだ夏ではないのに夕立)に、慌ててメインキャビンに移り無事、美味しい食事を囲んで楽しい食事の時間となりました。飯盒の豆ご飯は好評で、特におこげが珍しく、子ども達が喜んで、また大人達も懐かしく食べていただきました。

今回は、昨年熊本地震が起こったこともあり、災害時に、ビニール袋を使って簡単にご飯が炊けることも参加者に経験をしていただきました。普通のご飯と変わらずおいしく炊けることに、参加者も感激しておられました。
今後もこのような企画でサバエ教育キャンプ場をもっと活用できればと思います。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

報告 京都プリンスワイズメンズクラブ 飯尾  豊

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国際ボランティア会トレーニング

YMCAユースといえば、野外、スイミング、サッカーなどのリーダーを思い浮かべる方も多いかと思いますが、京都YMCAには国際ボランティア会というユースの活動もあります。18歳~35歳までの学生、社会人、外国籍の人が集い「平和の種をまく」をコンセプトに国際交流、国際理解、国際協力の観点から様々なプログラムを実施しています。今春新たに4人のメンバーを迎え、5月13日(土)、トレーニングを実施しました。

このトレーニングの目的は、ボランティア活動を行う上で,YMCAやキリスト教への理解を深めること、日本にくる外国人留学生の現状と彼らを取り巻く日本社会の現状を学ぶこと、そして地球規模の課題を捉え「平和をつくる」ために自分に何ができるか考えるきっかけを得ることの3点です。

午前の部では増加する外国人留学生の動向や、少子高齢化社会により労働者人口が減少する日本の将来を見据え、日本は今後、移民を受け入れるべきかについて議論しました。
参加者からは「30年、50年後、日本社会が移民を受け入れるか決めるのは自分達の世代なのだということを強く感じました。」という声が多くありました。その後、コットン栽培の児童労働問題について学ぶワークショップでは「先進国の消費者である私たち一つの決断が、生産過程にいる人に影響を及ぼすことを認識しました」という声がありました。

トレーニングの最後には、様々なSocial Issue(社会的課題)に取り組み続けてきたYMCAの活動を知り「京都だからこそできること、自分にしかできないことは何なのかを考えてみたいと思います。」という感想がありました。
この経験を踏まえて、今後大いに活躍していただきたいと思います。

報告 国際担当スタッフ 關 つぐみ

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特集

特集①: 京都Yのわくわく事業紹介

もうすぐサマーキャンプ!

YMCAのキャンプは、参加する子ども達一人ひとりを尊重し、大切にに育む、教育的視点を持った組織キャンプです。
専門のスタッフ、ディレクターとともに、トレーニングを受けた学生のボランティアリーダーが子ども達のお兄さん、お姉さんとして活動を支えています。
夏休みのひとときを子ども達と共に過ごし、その成長に向き合っているボランティアリーダーはどんな思いをもって活動しているのか、今年、活動4年目を迎えたベテランのリーダーに聞きました。

 

☻ お話してくれたのは… 小倉 美波 さん(セイラリーダー)

セイラリーダー:写真左

Q.ボランティアリーダーになったきっかけと、リーダー経験を通して自分自身が「よくなった」と思うことを教えてください。

小学生の時、京都YMCAのサマーキャンプに参加していたことがきっかけで、ボランティアリーダーになりました。

たった3シーズンだけの参加でしたが、サバエキャンプ場の雰囲気や、プログラムの内容、リーダーの名前など、鮮明に覚えていることばかりです。きっとキャンプが凄く楽しかったのだと思います。そしてその気持ちは今も変らず、子ども達と一緒に、サバエキャンプ場で過ごす時間はとても楽しいものです。

そんなリーダーとしての活動も、もう4年目を迎えました。人見知りで人と関わる一歩を踏み出す事が苦手だった私が、初めて出会う多くの子ども達や保護者の皆様、そして、大学も出身も違うリーダー仲間のおかげで、人と関わることの楽しさを知ることができたと思っています。

Q.年長のリーダーとして、どんな思いで後輩リーダー達と活動していますか。

YMCAのいいところは、「先輩」の存在にあると思います。
先輩になってしまった今の私が言うのもおかしな話ですが、YMCAの先輩は本当に尊敬できる、素晴らしい人たちばかりです。分からないことは何でも優しく教えてくれて、悩みごとはないかと気にかけてくれて、時には厳しく叱ってくれる、私はそんな先輩たちが大好きでした。

だからこそ、後輩にも同じことをしたくなります。もしかしたら今までの先輩たちも、私と同じような思いを持って活動されていたのかもしれません。先輩から受け継がれる「優しさ」のバトンを繋いでいく、この繋がりこそが、YMCAの活動をより豊かなものにしているのだと思います。

これは後輩ができて初めて気づけたことです。先輩の立場になることで、YMCAのよさに改めて気づくことができました。

Q. 今年のサマーキャンプに向けての抱負を教えてください。

今年は、私にとっていわゆる「ラストイヤー」と呼ばれる年です。小学生の時からお世話になっているサバエキャンプ場に行く機会も今年が最後。さまざまなキャンプを通して、たくさんの子ども達と出会い、たくさんのリーダー達とキャンプを作っていきたいです。

夏も冬も、どちらのキャンプにも共通して言えることですが、キャンプを作るために話し合いをする準備から始まり、キャンプが終り評価をするまでの間に様々なことが起こります。楽しいことや嬉しいこと、達成感、中にはどうしようもないハプニングもあるかもしれません。でも、そんな困難もリーダー達で協力して乗り越え、子ども達のために、よりよいキャンプを追求していきます。そんなキャンプの「空気感」が私はとても好きです。

今年の夏は、そんな空気感をたくさんのリーダー達と共有し、最高の夏にしたいと思っています。

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特集②:「みつかる」「つながる」「よくなる」YMCA

YMCAは、一人ひとりにとって「したい何かがみつかり、誰かとつながる。一人ひとりがよくなる」場所でありたいと願っています。YMCAに連なる方々の「みつかる」「つながる」「よくなる」エピソードをご紹介します。

 
多様で多面な「友」と、豊かな「道」を編む

国際協力専門委員/国際福祉専門学校・アフタースクール 非常勤講師
遠藤  浩

人とただ仲良くなる、というのが元来苦手だったわたしには、「目的」を共有するなかで「友」に出会うYMCAは「つながる」道筋を教えてくれた存在です。

研究だけでは煮詰まるでしょう、という「友」の一声で京都YMCA国際協力専門委員会につながらせていただきました。「Yの国際って?」を問いつつ、多くの発見そして「新友」との出会いをいただいています。
福祉社会って何?という問いをもち、その一員になるべく学びを共有する「新友」を得た国際福祉専門学校。さらに今年から、アフタースクールの子ども達とそのリーダー達、という「新友」を与えられ、日々自分を成長させていただいている感謝の思いがあります。

目的や目標へ向かう小さな一歩、それを共有できるグループやチーム、バンドという感覚が好きなんだと思います。
遠くにある目的地はいっしょでも、イメージする道筋はそれぞれちがう。それらをすり合せたり織り合せたりすれば、1人でやるよりはるかに豊かな「道」がそこにできる― そんな実感をもち、今日も京都YMCAへ向かう自分がいます。

 

出会いがあるから繋がりがある

京都YMCA ウエルネスセンター体育事業部 講師
寳関 千裕

人は生活する上で様々な人たちと出会います。出会った人たちと過ごしていく中で、その人と繋がりができ、そこからまた新たな出会いが生まれていきます。それは子ども、大人に関係なく全ての人たちに言えることです。私自身も今までたくさんの人たちと出会い、繋がりを持つことができました。

3年前にYMCAと出会い、スタッフとして関わる中で、今日まで幅広い世代の方たちと出会い、ともに活動してきました。その関わりの中で、一緒に笑ったり、楽しんだり、泣いたり、悩んだり、時にはぶつかることもあります。でもそのすべてが、その人たちとの出会いがなければできない経験であり、今に至るまでの繋がりがなければ共感し合うこともできません。お互いが信頼し合っているからこそ、本音で向き合いぶつかって行ける、切磋琢磨し合えるのだと思います。このような成長につながる関係性が築ける場がYMCAであり、YMCAの良さだと思います。

これからも、たくさんの出会いがあり、そこから繋がる可能性は無限にあると思います。人との出会いと繋がりに感謝を忘れずにYMCAの活動を通じて、これからもたくさんの子どもや保護者、地域の方たちと共に歩んでいきたいと思っています。

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