京都青年2017年9月号 記事一覧
活動報告
第6回会員協議会
平和のための開発教育セミナー
みんなでやってみよう!わたしにもできるてびき体験
ささやかな力は未来を拓く力
公益社団法人 京都府視覚障害者協会 副会長
学校法人 京都YMCA学園 非常勤講師
松永 信也
「困っている視覚障がい者の人を見かけたら声をかけましょう。」というメッセージが最近多くなった。
昨年連続して発生してしまった視覚障がい者のホーム転落事故がきっかけとなったようだ。僕たち視覚障がい者にとってはとてもありがたい社会の動きだ。転落防護柵が各駅のホームに整備されるのが望ましいが、これには時間もかかるだろう。それに危険な場所はホームだけではないし、いろんな場所で迷子状態になっている日常がある。
「見えない」状態で社会に参加するとはそういうことなのだ。だからこそ、困った時に声をかけてくださる人が一人でも増えて欲しいといつも願っている。
京都YMCAボランティアビューロー専門委員会(VB委員会)の主催で視覚障がい者サポート講習会がスタートして、もう10年以上の歳月が流れたかもしれない。協力して知恵を出し合って実施してきたけれども、参加者は毎年そんなに多くない。1ケタの参加者数ということもあった。スタッフの方が多いということになる。現代社会での「効果」とか「効率」ということで測れば、決して優等生ではない。
僕は申し訳ない思いもあってVB委員に相談したことがった。答えは明快だった。「我々も数が多い方がありがたいのですが、たとえ参加者が少なくても、『0』でない限り成功です。継続することに意味があります。参加者の延べ人数は3ケタになりましたよ。」
少しずつでも、善意で繋がり前向きに支え合うネットワーク「ポジティブネット」を地道に広げていきたいという姿勢だった。実際、この講座を受講した人からサポートを受けた視覚障がい者の声を、僕は複数聞いている。「ちょこっとボランティア」と銘打ったこの企画はまさに10年後の今日を予言するような、さきがけの取り組みだったということになる。
この取り組みの過程で、VB委員会メンバーだけではなくてワイズメンズクラブのメンバーや京都YMCAの職員など多くの人と出会った。目が見えない僕と見える人達、年齢も職業も、時には性別も違う。同じなのは、この京都に縁があるということ、そして同じ未来を向いているということだろう。いつの間にか絆ができた。国籍が違っても性別が違っても言葉が違っても年齢が違っても障がいがあってもなくても、皆が笑顔で暮らせる未来を向いているということだろう。
まだまだ道のりは長い。人間同士が支え合うボランティア活動が、ますます重要になってくるのは間違いないだろう。
これまでの取り組みに感謝をしながら、僕自身も僕にできることをやり続けたいと思っている。
◆ VB委員会では、視覚障がい者サポート(手引き)の基本的な方法を解説する「てびきのきほん」を作成しました。
動画はこちらからご覧いただけます。
活動報告
第6回会員協議会
6月23日、午後7時30分からマナホールにて、第6回会員協議会が行われました。その開会に先立ち、昨年天に召された故木村務さんへ黙祷を捧げました。その後、開会が宣言され、亀井剛理事長による聖書朗読、開会祈祷から協議会が始まりました。
まず加藤総主事から新たに選任された代議員、役員の紹介、続いて京都YMCAが全国のYMCAとともに取り組んでいるブランディングについての現時点までの取り組みの報告がありました。
会員協議会においてなされる報告や感謝、紹介は、それぞれが大事な事柄ですが、2015年度から続くブランディングについては、その中でも最重要事項といっても過言ではないでしょう。加藤総主事からブランディングの意義や経緯について説明があり、本部スタッフの關つぐみさんから新たに決まったブランドコンセプト、ロゴマーク、ブランドスローガンの発表がありました。やはり一番の関心事は新しいロゴマークがどんな風になるのかというところだったのではないでしょうか。
そして無事発表も終わり、京都部各ワイズメンズクラブ会長に昨年度1年間のご奉仕に対する感謝状が、亀井理事長から手渡されました。また、新たにYMCAリーダーの認証を受けるユースボランティアに認証状が手渡されました。
協議会の最後には、加藤総主事から三条本館の改修工事と2018年度から新たに始まる保育事業についての説明があり、2017年度会員協議会は閉会しました。
報告 活動推進専門委員会 古田 裕和
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平和のための開発教育セミナー
6月26日、7月10日に2回連続で平和のための開発教育セミナーを実施しました。地球規模の課題に私たちがどう向き合うかを共に考え、共に学ぶこのセミナー。3年目を迎えた今回のテーマを「フェアトレードってなに?」と題し、延べ36名の方にご参加いただきました。
フェアトレード(FT)とは、途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に売買し、途上国の生産者を支援する貿易のことです。1回目はチョコレート作りを楽しみながら、その原料であるカカオの児童労働問題について考え、FT商品を買うことが生産者のよりよい暮らしにつながることを学びました。
2回目は京都、大阪、東京などでFT事業を展開する「シサム工房」の池澤さんをゲストとしてお迎えしました。シサム工房*は「お買い物とはどんな社会に一票を投じるかということ」のコンセプトの下、アジア5カ国12のNGOと協力し、生産者コミュニティーを支援する仕組みをつくり、デザインや質にこだわった商品を展開されています。参加者は実際にシサム工房の店舗を訪問してFT商品のお買い物を楽しんだ後、まだ日本では認知度の低いFTを社会にどう広めていくかについて話し合いました。
参加者からは「フェアトレードについて、自分たちに新しくできることを知るいい機会になりました」「じかにフェアトレード商品を見ることができたので今後買い物するときの選択肢が増えました」という声をいただきました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
報告 国際担当スタッフ 關 つぐみ
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みんなでやってみよう!わたしにもできるてびき体験
ボランティアビューロー専門委員会では、毎年、松永信也先生を講師に「視覚障がい者サポート講習会」を開催しています。
例年は京都YMCA三条本館内で開催してきましたが、視覚障がい者のホーム転落事故が社会問題となっている中、少しでも多くの方に手引き(視覚障がい者サポート)を体験していただき、サポートの大切さとその方法を知っていただくことを目的に、今年は、人々が行き交うゼスト御池河原町広場に会場を移し、8月6日(日)に開催しました。
会場を、「おはなしコーナー」「体験コーナー」に分け、「おはなしコーナー」では始めに松永先生から、自身の体験談も踏まえて、視覚障がいがある中で街を歩く大変さや周囲のサポートの大切さをお話しいただき、その後、関西盲導犬協会 久保ますみさんに、盲導犬の役割や盲導犬を連れた方へのサポートについて教えていただきました。
「体験コーナー」では、カラーコーンやマットで作られたコースを手引きしてみる「体験コース」を設置。応援に来てくださった視覚障がい者の方々にご協力いただきました。
また、コーナーの一角では、体験用ゴーグルをかけて、文字を読んだり、絵を描いたりするプリントに取り組んでもらう「弱視体験スペース」を設置。通りがかりの親子連れやチラシを持って楽しみに来てくださった方など、34人の参加者が手引きの図説チラシを片手に、「体験コーナー」にチャレンジしてくださいました。
今回は、今まで手引きに全く触れたことがない方や、子どもたちを主な参加対象として計画しました。開催に先立ち、手引きの基本的な方法をわかりやすく解説した動画や図説チラシを作成し、Youtubeやフェイスブックで公開しました。当日、実際に体験には参加しなくても多くの方が足を止め、図説チラシを受け取ってくださいました。
今回の体験会が、街で視覚障がい者の方に出会った時「お手伝いしましょうか」の声をかける後押しになれば幸いです。
この体験会の運営には、公益財団法人関西盲導犬協会、NPO法人ブライト・ミッション運営の「さわさわ」、また、京都YMCA登録ボランティアグループ「YMCAこおろぎ」「長岡こおろぎ」「わいわいネット」のメンバーの皆様にご協力いただきました。
ご参加、ご協力くださった皆様ありがとうございました。
特集
「みつかる」「つながる」「よくなる」YMCA
YMCAは、一人ひとりにとって「したい何かがみつかり、誰かとつながる。一人ひとりがよくなる」場所でありたいと願っています。YMCAに連なる方々の「みつかる」「つながる」「よくなる」エピソードをご紹介します。
京都YMCAとのつながり
京都YMCA総務委員、国際協力専門委員
京都めいぷるワイズメンズクラブ
松村 康弘
1994年2月に京都めいぷるワイズメンズクラブに入会してから、『奉仕活動を通じてYMCAの活動を支援する』というワイズメンズクラブの理念よって、クラブ活動として私と京都YMCAとのつながりが始まりました。
それまでは全くボランティア、地域奉仕や青少年育成とは関係のない生活を過ごしていましたが、現在では、クラブでの活動を通してチャリティーラン、車椅子駅伝、街頭募金やネパールチャリティーバザーを通じてのネパールYMCA児童養護施設の子どもたちへの支援、学園祭のサポート、その他の多くのYMCA事業に参加しています。
ネパールチャリティーバザーでは、個の関わりがその場での人々とのつながりとなり、それが遠くネパールの子どもたちにもつながっていることを思い、車椅子駅伝では、アスリートをサポートすることにより、元気と勇気がいただけます。
また、京都YMCAで色々な委員・役職をさせていただいていることから、多くの人と一緒に「どのようにすれば京都YMCAの価値をより広く知ってもらえるのか」という同じ目標に向かって考えを共有することができ、会社人生だけではできない経験させていただいています。
今後、リブランディング運動によりYMCAをより広く知っていただくため、我々全ての会員が協力することが成功につながると思います。