京都青年 2012年2月号


新しい公共を担う京都YMCAへの期待

京都YMCA会員、聴覚障がい児プログラム研究会「マイ・マイ」代表
京都市環境政策局環境企画部環境管理課長  宇高 史昭

photo

 2012年がスタートを切りました。今年は京都YMCAにとって公益財団法人としての元年です。

 これまで、京都YMCAは、キャンプ、スキー、体育、野外、語学、教育など、スタッフはもとよりワイズメンをはじめ多くの会員、学生ボランティアが関わり、子どもたちに寄り添い共に学ぶ青少年育成活動・公益事業を展開してきました。

 私は、大学生時代からボランティアリーダーとしてYMCAの活動に関わってきましたが、この子どもたちとのキャンプ生活の経験を通して私が学んだことを紹介し、公益法人京都YMCAが歩んでほしい途を述べさせていただきます。これまで学んだことはたくさんありますが、特に現在私の仕事とつながっている3つの出会いを紹介します。

 まず初めに野外活動は私自身が環境問題への関心を持つ契機となりました。

 子どもたちとのキャンプは、生き物の営みやそれらのつながりを知る・学ぶ場でした。子どもたちの発見に驚き、また「どうして?」という問いかけが私自身の学びの動機となり、これが環境教育との出会いとなりました。

 2つ目は、教育キャンプの運営やキャンプ場の運営には、組織・チームプレイが何より大切であることを教えられました。そのために、常に協力・共同するためのトレーニング、さらには個人の様々なスキルの向上が重要であることを知りました。協働(共同)との出会いです。

 3つ目は、聴覚障がい児と健聴児とのインテグレーション(統合、融合)キャンプを通して、子どもたちとの「対話」は、育ってきた環境や立場に気を配り、伝わる方法と理解してもらえる工夫が必要であることを教えられました。これはコミュニケーションとの出会いです。

 現在私は、今年10月に施行される環境教育等促進法における基本方針案についての議論への参加の機会をいただいています。この法では環境教育や環境活動などの公共サービスに民間団体の参加や行政機関との協働を進めようとしています。また、自然体験の機会の場(野外活動施設)の認定制度も導入される予定です。環境教育を行う人材(リーダーや事業コーディネーター)を有した団体の指定も行われます。行政機関ではできない継続した人材育成やその蓄積の下に有している運営ノウハウが「新しい公共」に期待されています。

 百二十年を超える歴史を持つ公益財団法人京都YMCAは、このような政府の動きに先んじて、百年の計を見据えた事業で育ててきた「人」、「施設」、「運営ノウハウ」などの経営資源・財産を蓄えています。今後、これらを活用して持続性のある地域社会づくりに向けた公共サービスを提供し続けてほしいと願っています。私も微力ながら担い手の一人として,引き続き関わっていきたいと思っています。感謝。

活動報告

2011年度日本語科留学生 奨学金受給者決定

 京都YMCA国際福祉専門学校では、日本語科で学ぶ留学生の学習奨励や国際交流を奨励することを目的に、奨学金を支給しています。2011年度の受給者を紹介いたします。

春期
李 贡顺(中国)、江 晓妍(中国)
徐 恩煕(韓国)、刘 光泽(中国)
金 少鸣(中国)

2011年度日本語科留学生 奨学金受給者(春期)

秋期
Ruchira Mayuranga(スリランカ)、張 亦翔(中国)
李 忠煥(韓国)、徐 恩煕(韓国)

2011年度日本語科留学生 奨学金受給者(秋期)

今後のご活躍をお祈りしています。

クリスマスロビーコンサート

 2011年12月12日~16日にかけて、毎年恒例のクリスマスロビーコンサートが開催され、毎日30名を越える聴衆が集まりました。京都ワイズメンズクラブと京都ウイングワイズメンズクラブによってクリスマスの飾りつけのされた京都YMCAのロビーで日替わりの歌や演奏を楽しみました。ご奉仕いただいた出演者ならびに協力いただいたワイズメンズクラブの皆様に感謝申し上げます。

 クリスマスロビーコンサート

○出演者紹介

(1)光の音符(歌とフルート)
(2)アウトドアクラブリーダークワイア(クリスマスソング)
(3)デュオ・ユットラ(ハーモニカ)
(4)Vocal Unit Joy(ゴズペルミュージック)
(5)京都聖母学院中高ハンドベルクワイア(ハンドベル)

京都YMCAクリスマス

 2011年12月16日午後7時から、京都YMCAロビーにて会員やそのファミリーをはじめ60名を超える多くの市民が集まり、クリスマス礼拝とキャロリングを行ないました。礼拝では、京都聖母学院中高ハンドベルクワイアの奏でる讃美歌による厳かな雰囲気のもと、ペンライトを手にキャンドルサービスが行われ、日本キリスト教団世光教会の榎本栄次牧師からクリスマスのメッセージをいただきました。

 京都YMCAクリスマス

 その後、急な寒波で冷え込みの厳しい中、白いガウンとペンライトを持った参加者が隊列を組み、長年続けられているキャロリングに出かけました。寺町商店街、新京極商店街、三条通商店街の3箇所でクリスマスの讃美歌を歌い、街ゆく人々にクリスマスの雰囲気を味わってもらいました。

 三条商店街では、ちょうど同時にチャリティーミニコンサートが行われていて、演奏の間に京都YMCAのキャロリングの出演時間が設けられており、コンサートの観客の前で歌うことになりました。大人こども合わせて約40名が参加しました。