京都青年 2009年1・2月号


変えるべきことについては、
それを変えるための勇気を与えてください

京都YMCA
理事長  佐々浪 元彦
総主事・校長 神崎 清一

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 神のみ恵のもと、皆様には新しい年をお健やかにお迎えのこととお慶び申しあげます。

 京都YMCAは本年2月に創立120周年を迎えます。ここにあらためて、私たち京都YMCAが、イエス・キリストによって示された愛と奉仕の精神にもとづき、青少年と共に歩んできた足跡と果たしてきた役割を確認するとともに、今日そしてこれからの社会にあって、私たちYMCAの確実な歩みの重要性を認識するものであります。

 私たちの生きる現代社会では、「競争原理」のもつ弊害が起因と言ってもよい、新たな戦争の危機、犯罪の増加、厳しい経済状況、そして人と人の関係や個々の人間のもつ心の問題など多くの課題を抱えています。人間社会に「進化」はあっても「進歩」がないと言われるほど過ちを繰り返してもいます。

 おりしも2008年を表す漢字は「変」でした。人と人との関係における混乱、社会のもつ理想と現実との矛盾、歪曲された国際関係など。食品の安全、人や組織の倫理、人の尊厳を否定するような犯罪などまさに「変」に象徴された年であり、残念ながら現在の社会の状況を顕著に表していると言っても過言ではないでしょう。

 さて私たちYMCAは、イエス・キリストによって示された愛と奉仕の精神にもとづいて「人を育むこと」を使命として、すべての活動を通して「思いやり CARING」「誠実さ HONESTY」「責任感 RESPONSIBILITY」「尊敬心 RESPECT」の4つの価値をもった人を育むこととしています。この育むということが「人」を変え、「家族」「地域社会」を変えていく力となることを願いとしています。つまり私たち一人ひとりが「変える」ことのできる意識と勇気そして力をもてることを願いとしています。

 これからも、主体的に自らを、そして社会を「変革」することのできる人を育む組織としてYMCAが役割を果たして、世界の一人ひとりが国や地域、人種や文化、習慣、価値観、年齢、性別、職業や身分、富や力(武力)の差や異なりを越えて、お互いを認め合い共に生きる社会を創りだすことを願うものであります。

 京都YMCAは今後も地域社会とともに、世界の一員として「人を育みそして繋ぐ」ことをめざし歩んでまいります。皆様のご協力とご支援をお願いいたします。

 神の祝福が皆様方の上に豊にありますようにお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。

R.ニーバーの祈り

神様
変えることのできないものについては、
それを受け入れるだけの落ちつきを
わたしたちに与えてください。
変えるべきことについては、
それを変えるための勇気を与えてください。
そして、何が変えるべきであり、
何が変えられないことなのか、

この二つを区別するだけの知恵を
私達に与えてください。

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