京都YMCA News 2018年5月号 記事一覧
活動報告
第15回発達障がい児理解セミナー
YYYフォーラム
入園式&入学式
ひとりがよくなると 世界はきっと変わる
YMCA学院高等学校校長/ 大阪YMCA国際専門学校高等課程 副校長/大阪YMCA発達支援事業責任者
鍛治田 千文
『YMCAで自分と同じ悩みや趣味を持っている同年代の友達と出会えた。ありのままの自分を受け入れてくれる場所はとても居心地が良かった。それまでは「普通になりたい」と思っていたけれど、ありのままの自分を受け入れてくれる場所ができたことで「普通になる必要があるのだろうか」と考えるようになった。「普通になる」ということは「お前は普通じゃない」と言っていた同級生の言いなりになると思った。だからふっきれた』と話した高校生がいました。
「普通」という言葉は意識せずに日常的に使いますが、この言葉は時として暗黙の内にみんなと同じであることを求め、人を威圧したり、縛ったりする恐ろしさを感じます。
全国のYMCAは2016年より3つの重点事業を定めました。「チャイルドケア」「日本語教育」そして「発達支援」事業です。発達に課題のある子どもは厄介な子と思われがちで、その保護者に対しても変わった親だと、子どもの課題の責任がその人たちにあるような言葉を周りが投げかけることがあります。イエス様はいつも弱い人、小さくされている人と共におられました。私たちもイエス様に倣い、そのようにその人たちを見過ごさない、見落とさず共にあるという決心をしたのです。今、世の中で重要とされる即効性が効かないところに、専門性とチーム力で手間暇をかけ、YMCAの社会的存在意義や社会に対する責任を表そうと考えています。
YMCAでは20年以上前から発達支援事業を行ってきました。まだ世の中が学習障がいや発達障がいという言葉を認識していない時代からそこに支援をしてまいりました。2007年、特別支援教育が全ての小中学校で求められるようになり、今や営利目的でその子どもたちを支援する事業所も出てきています。私たちはいつも変わらずその子が困っていることに寄り添って、家族も共に歩みたいと思っています。
社会に出た卒業生が書いたものです。「YMCAで学んだ『人を大切にする』ことを意識して行動するだけで、その場の雰囲気を良くすることもできますし、そうすることで、対人関係が良くなり、それぞれが遠慮せずに意見を述べられるような環境作りができると思います。また自分たちにはそれを実行できるだけのポテンシャルがあります。こんなに素晴らしいことを教えてくれる学校はありません。(原文のまま)」
弱くて小さいとされていたその人たちが自信をもち、自分自身が周りを変えていける力があると自覚し、実行しようとしているのです。このような営みを通して新しい指導者が生み出される可能性が開けたこと、これはYMCAが求めているそのものです。その人が自分らしく生き、周りを幸せにする人に育むことは私たちにとって愛と平和に満ちた世界への一歩と思っています。
「ひとりがよくなると世界はきっと変わる」(YMCAブランドブック)。
活動報告
第15回発達障がい児理解セミナー
3月21日(水・祝)、マナホールにて第15回発達障がい児理解セミナーを開催しました。毎年、京都みやびワイズメンズクラブのご支援により行っている、特性を持った子ども達に対してどのような支援や環境が必要かを考える講演会です。
今回は「子どもの『育ち』を共に喜ぶ環境作り」をテーマに、作業療法士の宮﨑義博先生に子ども達への具体的なかかわり方についてご講演いただきました。周囲から見れば、不適応に見える子ども達の問題行動も、実はまっすぐに「〇〇をしたい!」という気持ちから起こっており、周囲の大人たちがその気持ちを理解できると具体的にどのような言葉がけをすればいいのかが自然にわかってきます。
また、感覚統合療法を実践されている宮﨑先生の「身近な環境にある遊びを真剣に『本気で』取り組んでいくことで、子ども達の身体と行動が育っていく」というお話から、日常の中で取り組んでいけるヒントを得ることができました。
後半は、京都教育大学の小谷裕実先生が、事前に参加者からいただいたご質問について、丁寧に回答してくださいました。
「子ども達の感情をどのようにコントロールしていくのか?」「学校・社会でのコミュニケーションについて」を、事例を挙げながらお話しいただきました。
今回は、保護者の方や放課後デイサービスで子ども達と関わっている支援者の方々が多く参加してくださいました。この学びの機会を通して「子どもが困っていること」に気づき、育っていく喜びを感じたいと強く願いました。
報告 サポートプログラム講師 金山 好美
YYYフォーラム
ワイズメンズクラブ京都部が毎年主催している「YYY(YMCA、Y’s、Youth)フォーラム」を4月10日(火)、マナホールにて開催しました。今年のテーマは「新しいメンバーをどのように増やし、 組織を活性化していくか」。
ミスユニバースコミュニケーション講師やセルフマネージメント講師として活躍されている吉原亜美氏を講師にお招きし、個人の魅力や発信力を高めて組織活性化に繋げていくことを共に考える機会となりました。
参加したユースボランティアリーダーの声
何かを伝える時、相手をしっかり見るのと同時に自分自身についてしっかり知ることも大切だと思いました。話し方であったり強みであったり、何が好きだとか…。普段から自分自身について考えてみたいです。
入園式&入学式
2018年度は、新たな試みの年。
YMCA三条保育園にもたくさんの子どもたちが入園し、介護福祉学科にはベトナムからの留学生が入学しました。
YMCA三条保育園 入園式
舞鶴校 入学式
京都校 介護福祉学科 入学式