京都青年 2010年12月号


聖母と崇敬されるマリヤの信仰~2010 Christmas Message

京都キリスト教協議会会長
日本ナザレン教団 上京教会牧師
川村 哲嗣

聖母と崇敬されるマリヤの信仰~2010 Christmas Message

  今世界中で、約20億人のキリスト教徒がいると言われていますが、キリスト教の起源をたどりますと、ナザレの村娘マリヤに行きつきます。名もなきマリヤの上に起こったことは、だれにも知られず、たいへん個人的な出来事でありました。けれどもこのマリヤというひとりの女性の決断が世界の救世主(キリスト)の誕生のかぎを握っていたといってもよいのではないでしょうか。

 彼女は突然の天使ガブリエルの出現におどろきましたが、決して取り乱すこともなく冷静にそのみ告げを聞きました。その内容は、未婚の自分に子どもが与えられる、しかも、その子は将来「いと高き方の子」と呼ばれるという理解しがたいものでした。

 これはまさに「不条理」そのものでした。よりによって婚約者のいる女性に「白羽の矢」を立てられるとは・・・。

 見方を変えれば、これほど不幸で哀れな女性はこの世にはめったにいないでしょう。彼女の一生はこのことでまったく台無しになってしまうからです。

 しかしマリヤは、しっかりと御使いの言葉を聞き取り受け容れました。ふつうこのような場合、気が動転して相手の言うことを聞くよりも、これから自分の身に起こるであろうことをあれこれ考え、うわの空状態になってしまうでしょう。しかしマリヤは、御使いの語る言葉をしっかり受けとめ、深く思い巡らしました。そして、「神にはできないことは何一つ無い」という剛速球ともいうべきみ言葉を胸に受けとめたのでした。そして「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身になりますように」と従順に答えました。

 みなさんも自分の思い通りにならなくて、とんでもないイヤな目に会わされたという経験の一つや二つはあることでしょう。それをどう受けとめますか? あの人のせいでとか、運がついていなくてとか、ダマされたとかいろいろなもっともらしい理由をつけて納得させようとしますね(ほんとうのところは納得できてはいないのですが)。

 キリスト者は、自分の身の上に起こるさまざまな凶事(もちろん幸せな場合も)もまた「神の時(カイロス)」として理解します(旧約聖書 コヘレト3章11節参照)。

 カトリックではマリヤは聖母として特別の尊崇の対象です。それは彼女が自分の人生をすべて犠牲にして神にささげたという点で、キリストと同じ気高さを見るからです。

 クリスマスは、イエス・キリストという神からの「言葉」(ヨハネ福音書1章14節)を受けいれ、そのありがたさを知って喜び祝うべき時なのです。しかしこの世(人々)はキリストを拒絶したり、反抗したりすると聖書ははっきり明言しています。自分の都合の悪いことを理由にして神の言葉を無視するのではなく、もしマリヤのように自分の思惑を捨てて、「はい、従います」と言うことができれば、私たちの想像を超えた神さまからの祝福を受けることができます。クリスマスは私たちの信仰が問われる時でもあります。

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【活動報告】

国際協力街頭募金

 例年10月から11月末までの期間、京都YMCAでは国際協力キャンペーンを行っていますが、キャンペーンの一貫として今年度も11月7日(日)に国際協力街頭募金を行いました。

 当日は、京都市内16箇所で在京ワイズメンズクラブ会員・専門学校生・ボランティアリーダー・プログラム参加の子どもたち総勢480名により街頭募金及びビラの配布を行ないました。昨年は雨に見舞われ、募金活動も雨具を着ておこないましたが、今年は天候に恵まれ問題なく行なうことができました。

街頭募金に先立ち、12時より「YMCAの国際協力」と題して、日本YMCA同盟協力部主事 横山由利亜氏を招いて、国際協力街頭募金の募金使途報告及び各支援先の実情報告の講演を頂きました。短時間ではありましたが、持続可能な地域の開発や自立をめざすプロジェクトの東ティモールYMCA支援と、難民・移民への協力ではパレスチナ難民・オリーブの木キャンペーンの報告が行われました。講演終了後、在京ワイズメンズクラブの協力の下、専門学校生・ボランティアリーダー・プログラム参加の子どもたちと共に12時30分より各募金場所へ向け出発、13時より募金を開始しました。事故も無く15時に募金活動を終了し、YMCA本館に戻って来ました。今年度は昨年の12箇所の募金場所を見直し、新たに京都駅周辺に2箇所、JR二条駅、地下鉄北大路駅、北山駅、新風館を追加しました。人の流れの変化に伴い、募金箇所も移動させて実施しました。当日街頭募金活動に参加されました皆さん、ご苦労様でした。募金はこの日だけで383,585円が集められました。

多くの方々から頂いた国際協力募金は、京都YMCAの国際協力活動や日本YMCA同盟を通じて紛争で苦しむアフガニスタン難民・パレスチナ難民の子どもたちの教育支援や貧困で苦しむインドの子どもたちへの教育支援活動に使わせていただきます。

皆様の、ご献金及び街頭募金のご協力に対し、感謝申し上げます。

国際協力専門委員長 森 泰弘

国際協力街頭募金の様子 国際協力街頭募金の様子

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故宮本隼史氏を偲ぶ会

 今年の8月5日に亡くなられた宮本隼史氏を偲ぶ会が11月13日(土)午後7時より京都YMCAマナホールで行われました。

故・宮本隼史氏を偲ぶ会の様子

 宮本さんは長年京都YMCAのウエルネス事業委員会の委員、またスキープログラムの実行委員長も長く務められました。また京都パレスワイズメンズクラブのチャーターメンバーでもあり、ワイズメンとしても多くの交友のある方でした。その様な関係から、京都パレスワイズメンズクラブと京都YMCA事業委員会が呼びかけ人となり催されました。偲ぶ会には、宮本さんに縁のある60名以上の方々が集まりました。

 会の中では、ご家族より提供いただいた宮本さんの若い頃からの写真がBGMの流れる中でスクリーンに映し出され、多くの方がそれぞれに宮本さんと共に過ごした時を懐かしみました。その後、数名の方から宮本さんとの思い出をお話しいただき、亡き宮本さんを偲ぶひと時を持ちました。

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