京都青年 2006年9月号


人生に必要なものは全てYMCAで教わった

近江兄弟社小学校副校長 リーダーOB
鳥井 新平

photo 小学校の教師になって23年。
その前の助走期間は京都YMCAのボランテイアリーダーとしての4年間だった。もちろん、リーダーと教師。似て非なるもの。想像以上の違いに当初はずいぶん面食らったりへこんだり、失敗の連続であった。
その違いを一言でいいあらわすと、短距離走とマラソンの違い。体育教室やキャンプでこどもたちとのプログラムを完結させていく短期決戦型と違い、毎日毎日の長時間の積み重ね。子どものみならず背後にある保護者や家庭との対応など、地道で粘り強い知恵と工夫を要する学校教育の教師は正にマラソンランナー。
photoしかし、ともに子どもとともに走る伴走者として、子どもの命を守り育む指導者として重なり合う多くの共通点もある。そしてその多くの共通点、基盤となる重要なポイントをYMCAで教わったことを誇りに思う。
○安全第一。メンバー・ファーストの思想と実際。
○長い一生を通しての各成長段階におけるここ ろのあり方と共同体のあり方。
○からだと健康に関する 思想。
○地球市民としてのグローバルな視点と地域社 会に生きるローカルな実践。
○人間を超えた絶対者に対する信仰と祈り。・・・・・
それら大切なことを理屈ではなく、仲間とともに活動を通してユーモアのスパイスをきかせながら学べたことは無上の喜びであり、当時お世話になった主事さんや会員の皆さんには感謝してもしきれないものがある。
そんな大切なYMCAにこれから望みたいことは「教育基本法」が見直される今、真の平和を実現する社会教育団体としてよりいっそう他にはないユニークで人々のニーズに応える集団であってほしいということ。
鳥井新平先生 YMCAに関わるおひとりおひとりがそれぞれ自分らしくいきいきと日々を過ごしてくださり、その一こまにYMCAがあるということ。

人と人とのあいだを美しくみよう
わたしと人とのあいだをうつくしくみよう
疲れてはならない             八木重吉

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平和のつどいを行いました

8月になると、新聞やテレビはいっせいにあの戦争や原爆被災者の報道を行います。忘れてはならないというだけでなく、幸せな未来を築くためにも私たちはこのような作業が必要なのでしょうね。京都YMCAは一九七二年より毎年、この時期に「平和のつどい」を行っています。今年は、「NGO(非政府組織)のはたらきに学ぶ」というお話を8月4日(金)京都YMCA三条本館において立命館大学の君島東彦先生からお聞きしました。先生は、大学で教えられ、また「非暴力平和隊・日本」というNGOの共同代表としても活躍されています。北朝鮮との対応をみても、政府や国家は軍隊によって自衛するという論理に陥りがちですが、もう1つの市民の立場から考えると違う政策展開ができるのではないでしょうか。また、世界の市民(NGO)は日本国憲法第9条に非常に注目しており、2006年にカナダで行われた世界平和フォーラムでも公正な世界の実現方法の1つとして「各国政府が憲法において(例えば日本の9条のように)戦争を放棄すること」という要求を掲げています。平和の構築は国家だけでも、また市民だけでもうまくいかず、オーケストラのようにそれぞれのパートが役割を果たすことが重要だと話されました。私たYMCAも世界的なNGOの1つです。その基本原則には「アジア・太平洋地域の人びとへの歴史的責任を認識しつつ、世界の人びとと共に平和の実現に努めます」とあります。アジア外交が難しい局面のいま、私たち市民の一人一人が何ができるのか改めて問われているといえます。
(報告:平和委員会 高田敏尚)

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作って…買って…みんなで夏祭り

学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)の子ども達とその周辺の子ども達のために、7月9日(日)リトリートセンターにおいて、「作って、買って、みんなで夏祭り」をテーマに社会性を身につけ、他者との協調性を養う体験を行う、サポートプログラムを実施しました。
「人との関わり、話し方、応対の楽しさを知る」「金銭のやりとりによる理解」「役割を遂行することによる達成感と楽しさを感じる」を目指し、夏祭りの屋台でのメニューつくり、販売体験、金銭のやり取り、購入体験を行いました。参加した24名の子どもたちは、予想した以上に役割を楽しみ、貴重な体験となりました。このプログラムは京都教育大学発達障害学科助教授であり医師である小谷裕実先生のほか、リーダー、教育大実習生、養護学校教員29名の協力によりチャリティランの基金により運営されました。

みんなで夏祭り

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