京都青年2016年1・2月号 記事一覧
シリーズ 京都YMCAの委員会
ボランティアビューロー専門委員会
活動報告
ユーススポーツ大会
マイ・マイ秋キャンプ in かつらがわ
京都YMCA・京都YWCA合同祈祷週 知っていますか!社会的養護の18歳の壁
オータムフェスタ
ワークショップ みんなで考えよう日本における難民受け入れ
クリスマスロビーコンサート&市民クリスマス
2015年 クリスマスプログラム
シリーズ 私のボランティアストーリー
アフタースクールボランティアリーダー 阪井田有紗さん(ありさリーダー)
謹賀新年
京都YMCA 総主事 神﨑 清一
「喜びを共にし痛みを分かち合う社会めざし」
「世界の人びとと共に平和の実現に努めます」
~日本YMCA基本原則より~
私たち日本YMCAは、一人ひとりの人権を守り、アジア・太平洋地域の人びとへの歴史的責任を認識しつつ、すべてのいのちをかけがえのないものとして守り育てることを、基本原則とし使命としています。
今、私たちの社会は文化や価値観や宗教の異なりを争いの種とせず、職業や貧富の差、年齢や障がいの有無などを差別への要因としない社会を創り出すことが求められています。そのためには武力に頼らず、積極的な対話や交流を通して、時には対立をしながらも「相互に尊敬:RESPECTし合う大切な人であり命である」ことを共通点とし認識し、その上で異なりは「本当にちっぽけな相違点」とし、「みんな違って、みんないい」(※金子みすゞ「私と小鳥と鈴と」より)と受け止め、公正で平和な社会を創り出すことのできる人財を育むことが求められています。このことが、いじめやヘイトスピーチといった差別をなくし、暴力や紛争や戦争を防ぐことに繋がるものであり、人と人、国と国の関係の良い関係を構築するための働きや機能としてのYMCAの存在が期待されています。
特に社会を変革できる青少年の育成と、国や地域を越えて地球市民として活躍できる人財の育成への働きが求められています。今後も皆様の更なるご協力並びにご支援をお願いいたします。
新しい年も、みなさまお一人おひとりのうえに神の豊かな祝福がありますようお祈りいたします。
シリーズ 京都YMCAの委員会
ボランティアビューロー専門委員会
1995年1月17日に発生した未曾有の阪神淡路大震災、京都YMCAは被災地に多くのボランティアを派遣しました。その時の教訓をきっかけに日々のボランティアを養成する(有事に関わらず)専門的な委員会が必要であるとボランティアビューロー専門委員会(VB専門委員会)が発足されました。
VB専門委員会の目的に「ボランティアの善意、熱意、経験、能力などを結集し、地域社会や国際社会における奉仕活動の発展を目指すための拠点の役割を果たす」とあるとおり、VB専門委員会では以下のような様々な役割を果たしております。
1、ボランティア活動を支援する。
2、ボランティアを志す方を集めデータベースとして蓄積する。
3、京都YMCAの持つボランティア情報を提供する。
4、セミナー、研修会を開催し、ボランティアのスキルアップを図る。
5、正しいボランティア活動を考える。
具体的な活動としては、「がん患者さんの会」(患者さんやその家族の心の解放のための会)や一般の方にボランティアスキルを提供する様々なセミナーを開催する。車いす介助、視覚障がい者サポート、心肺蘇生等を実践を経験する場を設ける。京都YMCAに登録しているボランティア登録グループ間の情報交換や共同活動を考える。東日本大震災や京都府南部地域水害時の働き等、有事に際しては俊敏な対応を実行する。決して目立つ活動ではありませんが、これらの活動を地道に積み上げ、大きな成果を上げております。
一言で表すなら、ボランティアを一人でも多く育てる事がVB専門委員会の心掛ける活動です。よく「ボランティアを行う委員会?」と理解している方がおられますが、VB専門委員会は、ボランティアの善意、熱意、経験、能力などを結集するボランタリーでなければなりません。京都YMCA運動の根幹の一部を担う重要な委員会です。
ご参加頂ける皆さまをお待ちいたしております。
執筆者:船木 成一
活動報告
ユーススポーツ大会
サッカー・バスケットボールはともに今年で第2回目となるユーススポーツ大会を開催いたしました。また、今年度はドッジボール大会も同時開催し、初めて3種目同時開催での大会となりました。参加チームは、愛知県・兵庫県・大阪府・滋賀県・奈良県・福井県・京都府と様々な府県から集まっていただきました。
サッカー大会は7日と8日の2日間開催し、10才・11才・12才の3カテゴリーに分かれ、今年は8人制のサッカーで大会を行い、全25チームが参加しました。ミニバスケットボール大会は7日に開催し、男子と女子に分かれ、男女合わせて全8チームが参加しました。ドッジボール大会は8日に開催し、全14チームが参加しました。
今大会は、京都府だけでなく様々な府県から大会に参加していただき、試合をするだけでなく他府県のチームと交流することができ、子どもたちにとってとても良い経験になったと思います。
京都YMCAチームの結果はサッカーにおいては、1日目・2日目を通して3位以内に入賞するチームもありました。ミニバスケットボールにおいては、3位という結果でしたが、今年になって初めて勝つことができ、勝つことへの嬉しさをはじめて体験することができました。ドッジボールにおいては、予選・本選と勝ち抜き3位に入賞することができました。
この大会は京都トップスワイズメンズクラブの方々や参加チームの皆様、協賛していただいた企業のご協力の下、開催することができました。今大会を継続して今後も開催していければと思います。
マイ・マイ秋キャンプ in かつらがわ
11月21日(土)~23日(月・祝)の連休に、聴覚障がい児プログラム研究会マイ・マイ主催、京都YMCA共催で「マイ・マイ秋キャンプ in かつらがわ」を、大津市立葛川少年自然の家において、小学4年生から高校1年まで11名の聞こえに障がいを負った子どもたちの参加を得て実施しました。
初日は、施設周辺でクラフト(工作)に使う木の実、葉っぱ、小枝を拾いながらハイキング、夜はレクリェーションゲームをしてみんなで遊びました。2日目は、クイズに答えながらのポイントハイク、お昼はきのこご飯づくりに挑戦しました。夜の寸劇(スタンツ)大会ではグループの特長が活かされた名演が繰り広げられました。最終日は、葉っぱのしおり等自然の恵みを使ったオンリーワンの作品づくりをして、子どもたちは楽しい思い出を胸にそれぞれの家庭に帰っていきました。
マイ・マイキャンプは、小学生の頃から何回も参加している高校生がグループのリーダーをしています。いっしょに遊んでくれて、キャンプを知っている高校生が身近にいることで子どもたちも安心できるようです。寂しがっている子、何か困っている子がいたら、自然に寄り添い、助け合える心優しい子どもたちが参加するマイ・マイキャンプは、学校生活とは違った世界が広がるのでしょうか、解散では子供たちから次のキャンプのリクエストを受けてしまいました。
報告 聴覚障がい児プログラム研究会マイ・マイ 宇高史昭
京都YMCA・京都YWCA合同祈祷週
知っていますか!社会的養護の18歳の壁
11月21日(土)に京都YMCAと京都YWCAの合同祈祷週プログラム「知っていますか!社会的養護の18歳の壁」を開催しました。
今年のプログラムは、若者の貧困と自立支援を考える一端として、18歳になると後ろ盾もないまま自立を迫られる児童養護施設の子どもたちの現状を知り、私たちに何ができるのかを考える機会として企画しました。
早く大人にならざるを得なかった子どもたちを社会はどう支えるか
まず前半では、大阪成蹊短期大学教授の阪野学さんから、児童養護施設等で暮らす「社会的養護」の子どもたちの現状を伺いました。近年では親はいるものの、虐待や家庭の貧困が大きな理由となり、親と離れて暮らすケースが多いといいます。認知される児童虐待件数は増加しており、その背景には、子育ての不安・負担感や生活の貧困などの要因が挙げられ、それらは重複して起こることも多いそうです。
後半には京都YWCAが2015年度に開設した自立援助ホーム「カルーナ」ホーム長の山本 知恵さんと利用している女性のお話がありました。自立援助ホームとは、15〜20歳までの児童養護施設などを退所した、もしくは家で暮らすことができない女性が安心できる居場所を得ながら、日常生活の支援を受けて社会的自立に向けた準備をする場所です。お二人のお話から、「カルーナ」では大人が温かく見守り、子どもたちに回復の時間を提供していることが伝わってきました。また利用女性の「施設にいた頃は『してあげる』という一方的な贈り物や支援を迷惑に感じることもあった」という発言が印象に残りました。
最後に私たちにできる支援を話し合うと、手に職をつけられるよう学ぶための学資への支援、YMCA、YWCAのネットワークを生かした遠方での支援、経営者の方は自らの会社での職場体験の場の提供など、それぞれの強みを生かした声があげられ、心強く感じられました。すべての子どもたちが安心して成長できる社会をつくることこそが、私たちの責任であると感じました。
報告 京都YWCA会員 伊原 千晶
オータムフェスタ
11月22日(日)、京都YMCAリトリートセンターにてオータムフェスタを開催しました。朝11時の開会式から250名近い来場者が集い、ステージショーではYMCAフランダンス教室による演舞、パーカーズアルミさんの大道芸、パレスワイズメンズクラブ川上ワイズの演奏が続きます。各コーナーではバルーンアート、和菓子体験が大人気で、最後の綱引きまでプログラムは盛りだくさんです。もちろんワイズメンズクラブによる各種屋台はフェスタの中心で、他には寄贈品販売、福祉施設「こもれび」「野の花」の物品販売そして地元農家から新鮮野菜と玉子が並びます。今年も大阪高槻ワイズメンズクラブからポン菓子を作りに来てくださり、その破裂音が高らかに響き、また北は群馬、南は熊本と日本各地のYMCAから有志のスタッフも応援に来てくださいました。
なかでもウエストワイズメンズクラブのお手を借りた綱引き大会では7チームがエントリーし、予選、決勝と参加者の真剣勝負が繰り広げられました。
後日談ですが、和菓子体験に参加したある小学生の作文をお母さんの了解を得て読む機会があり「わたしは、きのうリトリートセンターにいってきました。とってもとってもたのしくってゆめのようでした。」と書かれていました。微力ながら企画のお手伝いに頭を悩ませた身にとってホロリとした瞬間でした。
リトリートセンター専門委員会、ワイズメンズクラブを含めた参加者250名全員の気持ちでフェスタが創り上げられました。皆様に心より感謝申し上げます、また来年会いましょう。
報告 オータムフェスタ実行委員会 委員長 三保 俊幸
ワークショップ みんなで考えよう 日本における難民受け入れ
最近注目が集まっている、けれど日本人にとって海の向こうの問題だと思われがちな難民問題。この問題をもっと身近に感じてもらえるような話し合いの場をつくれないかと、12月12日(土)京都YMCAにて「ワークショップ ― みんなで考えよう 日本における難民受け入れ―」を開催しました。
企画し進行を務めたのは、2015アジアユースコンボケーション(AYC)に参加した、中島 敬之さん(京都大学 大学院)、畠平 くるみさん(大阪女学院高校)、關 つぐみさん(京都YMCA 職員)のユース3名です。AYCで「平和」について考えたことをきっかけに、自分たちにも何かできることはないかと考え、形になったのがこのワークショップです。当日はワイズメンをはじめ大学生、高校生など計10名の方が参加されました。
「難民とは何か」「なぜ難民が生まれるか」など、難民問題の基礎知識の説明の後、参加者は日本の難民受け入れの仕組みや課題、支援について、グループに分かれて資料を読み解きました。読み解く中で「日本の難民受け入れの基準はこんなに厳しいのか。これを変えないと。」「でも受け入れた後にも課題はたくさんある。」など様々な意見が交わされ、最後には進行役から「難民問題は考えれば考えるほど難しい。けれど考え続けることが大事。今日が難民について考える第一歩。」とメッセージが伝えられました。
今回は、参加者の多くが日本の難民受け入れの現状を「知る」というよい機会になりました。次のステップとしてこれらを踏まえて「自分には何ができるか」というより深い議論ができる場を期待しています。
クリスマスロビーコンサート&市民クリスマス
今年も12月14日(月)から18日(金)まで美しい音楽でクリスマスを祝うロビーコンサートが三条本館で行われ、最終日にはともに平和を祈る市民クリスマスそして三条通や新京極通で讃美歌をみんなで歌うキャロリングが行われました。
この企画は例年、在京のワイズメンズクラブの有志クラブが協賛して行われています。
今年も14日に北嵯峨高校のクラシックギター部の演奏、15日に京都市交響楽団から来ていただいた3名の方によるピアノとオーボエ・ファゴットのトリオ演奏、16日にパイプオルガンとソプラノ独唱、17日にゴスペルコンサート、そして18日には京都聖母学院ハンドベルクワイアのハンドベル演奏と連日色々なジャンルの音楽が館内に響き渡りました。このロビーコンサートは小さなコンサートですが、出演していただく人たちも素晴らしく、聴いていて毎日それぞれの演奏に感動できるコンサートだと思いました。
ロビーコンサート最終日にはコンサート終了後に市民クリスマスと称してクリスマス礼拝が日本キリスト教団室町教会の浅野 献一牧師により執り行われました。
礼拝が終わるとクリスマスキャロリングが始まり、参加者はケープを身に着けキャンドルを持って三条通から新京極方面へ歩き出しました。そして何か所かに留まりみんなで讃美歌を合唱しました。寒空の中キャロリングに参加していただいた方々お疲れ様でした。
ロビーコンサート・市民クリスマスは多くの人たちによって支えられ毎年行われています。来年もより心に残る1週間が迎えられますよう、よろしくお願いいたします。
報告 クリスマスロビーコンサート実行委員 古田 裕和
2015年 クリスマスプログラム
アドベントの期間中、三条本館もクリスマスの飾り付けでいっぱいになりました。
11月29日(日)、今年も京都ワイズメンズクラブの皆様にご協力いただき、京都YMCA三条本館にクリスマスツリーと飾り付けが登場しました。夜になると外壁のイルミネーションに明かりが付きます。クリスマスツリーは、来館した子どもたちから大人気でした。
シリーズ 私のボランティアストーリー
アフタースクールボランティアリーダー 阪井田有紗さん(ありさリーダー)
私がYMCAに関わりを持ったのは大学生になってからではなく、住んでいた三重YMCAで3歳の頃からです。それからずっと所属し、そのまま中学生になった頃からリーダーのアシスタントのようなことをさせてもらえることになりました。そこでリーダー達が話し合う事を聞き初めて、発達等の観点から自分たちの行動を見てくれていたこと、そして何気ない行動一つも大きな意味を持つことを知りました。そして自分の発達にとっても、10年程度の活動の中で、数えきれないほどのリーダー達に遊んでもらった経験が大きな意味を持っていると感じました。
ただ、何よりも意味を持っているのは、してもらった行為より、多くの人に関わったこと、それ自体だと思います。だからこそ、大学生になり京都に来て、YMCAアフタースクールという子どもたちが長く生活する場にボランティアリーダーとして関わることで、自分自身は子どもの成長にプラスになれる程の人間でないとしても、関わった人としてのサンプルの一つとして、子ども達の成長のほんの一部になれたらと思っています。
⇒ 京都YMCAのボランティア活動についての詳細は、「京都YMCAのボランティア活動」をご覧ください。