京都青年 2016年5月号


京都青年2016年5月号 記事一覧

隠れた被災者

シリーズ 京都YMCAの委員会
体育専門委員会

活動報告
第2回マイ・マイフォーラム
第3回The Y cup京都ミニバスケットボール大会
平和のための開発教育セミナー
チャリティーライブ
京都YMCA学園 入学式
ムーンライトワーシップ


 

隠れた被災者

本部事務局長 加藤 俊明

4月14日から起こった熊本地震は熊本県や大分県で大きな被害をもたらした。
最初の地震で震源地となった熊本県の益城町では、避難所となった総合運動公園の指定管理を受けていた熊本YMCAが公園内の体育館に避難して来た地域の人びとを受入れ、そのまま避難所の運営に関わることになった。また同じく指定管理を受けていた隣接の御船町のスポーツセンターでも同じ状況であった。

YMCAは、大規模災害が発生した場合、基本的に被災地にあるYMCAが行う被災者支援活動を全国のYMCAが支援する方法を取っている。
今回も被災地となった熊本YMCAが被災者支援の前線基地となり全国のYMCAから人や物の支援の受け入れを行い献身的にその役割を果たしている。この状態は、阪神大震災、東日本大震災、最近の広島での大規模土砂災害などでも見られたことである。また国内に限らず、海外の大規模災害や紛争地域におけるYMCAにおいても同じ働きをしている。

今回のような広域災害では、現地のボランティアやワーカーは被災地の外から来るボランティアと違い、自身も被災している場合がある。今回の熊本YMCAにおいてもスタッフや被災者支援を行うワイズメンなどはライフラインが復活しない中で活動を続け、中には家が損壊し家族が避難所で生活している人もいると聞いている。東日本大震災の場合でも当初同じような状況があった。

基本的に被災者の支援を行うのは、被災していない人だという暗黙の了解のようなものがあり、局地的災害と異なり東日本大震災や今回の地震のような被害が広域にわたる災害の場合、一般の被災者支援に目が向けられるあまり被災者支援を中心的に行う現地スタッフもまた被災者であることが見落とされがちである。
被災者支援の現場では、被災地の外から多くの支援者が集まり、また支援物資も被災地域外から集まってくる。しかし、同じように支援している地元の人は外から来る応援の支援者と異なり自らの被災を一旦横において、その働きを使命として行っているのである。彼らもまた本来なら支援される側になっていても不思議ではない。
これから熊本の被災者のために全国からボランティアを始め様々な支援が集まってくる。長期化が予想される今回の地震の被災者支援だが、せめてYMCAとしては、その時に同じく被災した熊本YMCAのことも配慮しつつ支援してゆきたいと思う。

熊本YMCAの避難所での働きは現地でも非常に評価されている。それは全国のYMCAの共同の働きと共にコミュニティとの関係性を築いてきた熊本YMCAの働きによるところが大きい。しかし、熊本YMCAの会館も地震の影響で一部使用に支障が出ており一日も早く復旧して元のようにプログラムを始めなければならないが、修理に来てもらうにも被災地の中ではなかなか着手できないという。熊本のYMCAの運営とスタッフ及び会員ボランティアの健康と環境が整わなければ被災者支援自体が続けられなくなる。被災者支援の活動を継続的に行っていくためにも、熊本YMCAの復旧も合わせて取り組まなければならない私たちの課題である。

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シリーズ 京都YMCAの委員会

体育専門委員会

体育専門委員会はYMCA事業委員会に属する専門委員会の一つで、主に成人ウエルネス・ユーススポーツ・スイミングスクールに関するクラスの運営について協議をしています。

少子化が進む中、現場スタッフの努力により各クラスの会員数は増加傾向にあります。創立125周年記念事業としてスタートした福井県おおい町で開催の「ユーススポーツ大会」や「The Y cup 京都ミニバスケットボール大会」など京都YMCAが主催する大会も定着しつつあります。
ただ、サッカーやバスケットボールの練習場の確保が年々難しくなっていることや、スイミングプールの施設改善、指導員の確保などハード・ソフト両面の課題が山積しています。ウエルネス事業に関しては京都YMCAの基幹事業の一つという認識の下、早急に課題をクリアする必要に迫られているのが現状です。

多くの方に関心をお持ちいただき、専門的な知識をお持ちの方などのご協力を切に願うところです。今後とも京都YMCAのウエルネス事業にご理解ご協力を賜ります様、よろしくお願いいたします。

執筆者: 髙橋 秀樹

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活動報告

第2回マイ・マイフォーラム

聴覚障がいを負った子ども達の就職、進学などの進路問題について、DVDや経験談を通してお互いに理解を深め、学び、考える機会としてマイ・マイフォーラムを3月20日(日)午後1時30分から京都YMCA三条本館マナホールで開催しました。

今回は「就職」をテーマに大学における就職支援を紹介したDVDを見た後、ご自身も聴覚障がい者であり、映画に字幕・副音声をつけるバリアフリー上映の普及や障がいへの理解を深める講演活動をされている深田麗美さん(京都リップル代表、同志社大学職員)と、聴覚障がい者を雇用し、受注した印刷物を作業現場へ回すまでの事務全般を任されている会社の代表で、平成25年度に京都府知事「障害者雇用優良事業所表彰」を受賞された大槻裕樹さん(㈱大槻シール印刷 代表取締役、東稜ワイズメンズクラブ)をお招きして、それぞれの体験談をお話ししていただきました。

最後にノートルダム女子大学で聴覚障がい学生の支援をされていた北野裕紀子さんからは、聴覚障がい者向けコミュニケーションツールである富士通のパソコンソフト「ライブ・トーク」やスマホアプリ「こえとら」の紹介、聴覚障がい者が話し手の声を聞き取りやすいよう廃棄テニスボールを教室内の椅子の脚に取り付けることにより雑音を減らす取り組みの紹介などをいただきました。
様々な気づきの機会を与えてくださった講師の皆様、また経験をお話いただいたご来場の皆様ありがとうございました。

報告 聴覚障がい児プログラム研究会マイ・マイ 代表 宇髙史昭

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第3回The Y cup京都ミニバスケットボール大会

京都YMCA創立125周年と京都でのバスケットボール100年を記念して2014年から始まったThe Y cup京都ミニバスケットボール大会の第3回大会を、3月19日(土)、20日(日)の2日間にわたって開催しました。

今回は参加希望が過去の参加チームも含めて増えてきたため、応募いただきながら参加いただけないチームも数多く出ました。
今回も2日間に渡り白熱した大会が繰り広げられ、男子は昨年に続き与謝野ミニバスケットボールクラブが、女子はB-friendsミニバスケットボールクラブが優勝し、表彰式で神﨑総主事より大きなThe Y cupが授与されました。閉会式での京都ミニバスケットボール連盟の中島会長の挨拶では、「このような大会はどこにもありません。」と称賛の言葉をいただきました。
今回も、京都ワイズメンズクラブ、京都キャピタルワイズメンズクラブ、京都ウイングワイズメンズクラブ、京都エイブルワイズメンズクラブ、京都グローバルワイズメンズクラブ、京都トップスワイズメンズクラブから参加チームへの昼食提供があり、参加チームの子どもたちが並んで食事を受け取りに来る、おなじみの光景が見受けられました。

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平和のための開発教育セミナー

「平和のための開発教育セミナー」を、1月から3月まで月1回ペースで全3回、京都YMCA国際協力専門委員会主催で開催しました。各回15~20数人の参加者をえて好評のうちに終了、今後の展開も期待されます。

昨今の国際情勢や国内の安保や改憲をめぐる論議など、平和の意味を考え直さざるをえない場所に、わたしたちは立っている ――これが、企画の発端です。それを先端論議でなく、あえて足元から ―開発教育の古典、貿易ゲームやフォトランゲージなどを2016年時点のわたしたちはどう体感する?という問いから、全3回がデザインされました。

1回目貿易ゲームには軍需産業の要素を加え、参加者は、戦争により貧困になる国と軍需産業で経済成長する国があることを体感。どちらに目を向けるかにより態度は違ってくるのでしょう。
2回目フォトランゲージでは各国食材の写真を観察、文化と経済という二つの尺度を、端的には「豊かさって何?」という問いを、参加者は感じとっていたようです。
3回目は「ちがい」体感ワークを通じ、「ちがいの尊重」を言いつつ実態として「同じ」人をまず求める心情がわたしたちにある、と確認。また「ちがいカード」を用い、尊重されるべき文化や個性の「ちがい」と、差別や格差など一方の人権をそこなう「ちがい」について気づいたことを、話し合いました。

経済、文化、そして「ちがい」、これらをどう扱うか、わたしたちの日常から取り組める平和の課題でもあります。セミナーは一方的講義でなくすべて参加型ワーク ――参加者自身が体感し考え、話し合うことが中心―― このやり方自体も、平和への一歩ではと思っています。

報告 国際協力専門委員 遠藤  浩

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チャリティーライブ

3月27日(日)にチャリティーライブを開催しました。
このイベントの収益は、京都YMCAの登録ボランティアグループ「フーロカール」が支援しているインド・ランチのハンセン病患者コミュニティの支援に用いられます。開催にあたりたくさんのワイズメンの皆様からのご協力を頂きまして誠にありがとうございました。おかげさまで、たくさんの収益を集めることができました。

今までのチャリティーコンサートは、ゲストアーティストのコンサートを通じてオーディエンスという立場でのチャリティーイベントでしたが、今回はワイズメン自らがアーティストとして参加し、歌って、演奏して、踊って日頃のワイズパワーを披露してくださいました。また出演者のクラブメンバーの皆様にも応援に、歌って、踊って、盛上がって、楽しんでいただきながらチャリティーをしていただけるイベントとなりました。他の様々なイベントと重なった事もあり、今回は3クラブの参加でしたが、それでも多くの方々にご来場いただき、会場内は大変な盛上がりでした。

ただ反省しなくてはならないこともあり、もっとたくさんの方々が参加しやすいように改善していかなければならない事も…。もし、もっと多くの出演者に参加していただければ、今まで以上にチャリティーの成果もあがり、とてつもない一大イベントにもなりうるかもしれません。

報告 活動推進専門委員 北川 雅俊

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京都YMCA学園 入学式

京都YMCA国際福祉専門学校

日本語科の入学式が4月4日(月)に、介護福祉学科の4月5日(火)に行われ、日本語科には40名の留学生が、介護福祉学科には20名の新入生が。加わりました。

 

 

舞鶴YMCA国際福祉専門学校

昨年開校した舞鶴YMCA国際福祉専門学校では、4月2日(土)に入学式が行われ、介護福祉学科、国際観光ビジネス学科に合わせて25名の新入生が加わりました。

 

 

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ムーンライトワーシップ

YMCA活動が拠りどころとするキリスト教への理解を深めることを目的に、聖書を読み、祈る会として、今年度から「ムーンライトワーシップ」が始まりました。
初回の4月4日(月)には30名あまりの参加があり、聖書の一節について、兼松豊牧師(日本キリスト教団)からお話を伺ったり、讃美歌を歌い、自分の心と向き合う時間を持ちました。
この会は、毎月月曜日19時半より開催します。ご予約不要で、どなたでもご参加いただけます。

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