京都青年 2016年9月号


京都青年2016年9月号 記事一覧

互いを認め合い、高め合う「ポジティブネット」のある豊かな社会を創る

活動報告
全国JOCジュニアオリンピックカップ 水球出場
中日本YMCA少年少女サッカー大会
広島YMCA国際青少年平和セミナー
厦門インターナショナルワークキャンプ
サマープログラム
リフレッシュファミリーキャンプ


互いを認め合い、高め合う
「ポジティブネット」のある豊かな社会を創る

本部事務局長 加藤 俊明

昨年来全国で取り組んできたオールジャパンYMCAのリブランディングの取り組みのなかで、プロセスの一つの形として先般ブランドコンセプトが発表報告されました。8月から9月にかけてブランドコンセプトの発表と説明が、東日本、中日本、西日本の3か所に分かれて開催され、先日大阪YMCAで行われた説明会には、京都YMCAから5名が参加しました。

このリブランディングの取り組みは、日本のYMCAが我々は何者なのかをもう一度見直し、これからどこを目指して活動して行くのかをオールジャパンで確認するものです。ブランドコンセプトとは、YMCAの目指すところと働きを簡潔に説明する言葉として文章化したものです。

今回発表されたブランドコンセプトでは、YMCA(私たち)が目指すべき社会の姿(Vision)を「互いを認め合い、高め合う「ポジティブネット」のある豊かな社会」としています。また、その為にYMCA(私たち)は「したい何かがみつかり、誰かとつながる。わたしがよくなる、(Valueのある)かけがえのない場所」を地域社会に提供していくことを約束することとなります。 さらにそのようなYMCA(私たち)は「心をひらき、わかち合い、前向きで、まわりを惹き付ける魅力」ある(Personalityをもつ)組織となることが求められています。

今回発表されたこれらのVision/Value/Personalityの内容については、おそらく最初は、「なにこれ?」というのが正直な感想でしょう。そもそもVisionに出てくる「ポジティブネット」って何?と誰もが戸惑いを覚えて当然です。今まで聞いたことの無い言葉で英語の辞書にも載っていません。この「ポジティブネット」は今回のブランドコンセプトをまとめるために新しく作られた造語だからです。

ブランドコンセプトは、これまで方向性が判りにくかったYMCAの事業やプログラムにはっきりとした方向性を示し、道筋を示す標となってゆきます。
それぞれのYMCAではこれからこのコンセプトの示す内容について咀嚼し、現状と照らし合わせながら、行っている事業やプログラムをコンセプトに添った意味づけをし、説明できるようにする作業を行っていくことになります。

その作業の途上で、現在行っているものの中でその方向性に合わないものや、意味づけができないものが出てきて、そのプログラムをやめる、もしくは大きく変えてゆく決断が迫られる場面もあるかもしれません。しかし、今回のリブランディングのプロセスはそれらの作業を通して、私たちのYMCAが時代に即したものに変われるチャンスととらえ取り組まなければなりません。

そのために、まずYMCAの役員、スタッフ、会員、関わるボランティアすべてがブランドコンセプトについて理解しその認識を共有してゆくことが必要です。
YMCAのリブランディングプロセスはようやくその端緒に就いたばかりです。YMCAに関わる皆さんで作り上げて行きましょう。

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活動報告

全国JOCジュニアオリンピックカップ 水球出場

img_27217月29日(金)~31日(日)の3日間、全国JOCジュニアオリンピックカップ夏季水泳競技大会水球競技の近畿予選会に参加してきました。

小学生は7チーム中4チームが全国大会に出場できます。まずAリーグ(3チーム)・Bリーグ(4チーム)の2リーグに分かれ、京都YMCAは予選Aリーグに入りました。各リーグ1位になると無条件で予選突破となります。結果は1勝1分けでしたが、得失点差で2位でした。ここで予選突破を決められなかったので、A・Bリーグの1位を除く5チームリーグで残り2枠を争うことになりました。試合は進み、最終日残り2試合の1試合目で勝利すれば2位以上確定となる状況になりました。対戦相手も勝てば全国大会という条件は同じでした。お互い一歩も引かず引き分け。全国大会の切符は最終試合にまでもつれました。

最終戦、京都YMCAは引き分け以上で全国大会という有利な状況でしたが、今予選会で初めて敗戦。スコアは3-4でした。1試合目のチームと勝ち点で同率2位となりましたが、リーグ1位チームとの得失点差が上位となるルール上、1位のチームに京都YMCAは1点差負け、もう一方のチームは2点差負けということで、京都YMCAが2位となり見事、全国大会出場を決めました。

3年ぶりに全国大会に出場してきます。1勝でも多くできるように、また一生懸命練習しますので、ご声援よろしくお願いします。

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中日本YMCA少年少女サッカー大会

7月31日(日)~8月2日(火)に第30回中日本YMCA少年少女サッカー大会が開催されました。今大会はテーマを「感じよう!伝えよう!仲間との大切な時間」とし、参加した全ての子ども達が大会を通して、練習で培った技を発揮し、次の課題を見つけ、仲間と試合を行い、生活を過ごす中で、仲間の大切さを再確認し、集団スポーツの良さを認識する事を目的に実施されました。

京都YMCAからは小学1年生~小学6年生までの約60名の子どもたちが参加し、6年生以下の部に1チーム、4年生以下の部に2チーム、2年生以下の部に2チームの計5チームに分かれて試合に臨みました。

結果は6年生以下の部が準優勝、2年生以下の部が準優勝、3位と素晴らしい成績を収めることができました。またYMCAのキャラクターディベロップメント(思いやり・誠実さ・尊敬心・責任感)の価値を試合中や試合以外の全ての場所で大切にしているチームに贈られるフェアプレー賞に4年生以下の部から1チーム、2年生以下の部から1チーム選出されました。

大会中に子ども達が学年やチーム関係なく、自分たちで考えた応援歌で仲間を応援する姿がとても印象的でした。仲間の応援が力となり、このような素晴らしい成績を収めることができたのだと思います。

大会を通して、仲間の大切さを学び、大会での経験が今後の子どもたちの成長につながることを願い、これからも日々練習に励んでいきます。

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広島YMCA国際青少年平和セミナー

8月4日~6日、「広島YMCA国際青少年平和セミナー」が開催され、京都YMCA国際ボランティア会メンバー3名が参加しました。広島という地に各国からユースが集まり「平和」について共に考えるこのセミナーも、今年で38回目を迎えました。

私はこのセミナーで、平和な未来を作るために自分たちに何ができるのかを真剣に考える機会をいただきました。
このセミナーには日本だけでなく、様々な国のYMCAメンバーが参加しましたが、1日目の夕食の時間にはもう、国籍など関係なく皆打ち解けて賑やかな雰囲気になっていました。私自身も多くの人と交流し、実際に自分の目や耳で異文化を知ったことで世界をより身近に感じることができ、また、自分の視野を広げることにもつながりました。

私はこの経験から、平和への第一歩は「国際交流」であるということに気づきました。
こうして私たち若い世代が国際交流を通し、自分の国以外のことも知り、視野を広げることができれば71年前に広島で起きたような悲しい歴史は繰り返されないと思います。

今回のセミナーを通してできたユースとの繋がりをこれからも絶やす事なく、互いの国を知っていきながら交流を続けることこそ、平和な未来を作るために私たちができることであると思います。

報告 国際ボランティア会メンバー 吉見 昭範

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厦門インターナショナルワークキャンプ

「厦門インターナショナルワークキャンプ」は、台湾・台中YMCAを中心に中国・厦門YMCA、韓国・仁川YMCA、日本・京都YMCAの4ヶ国のスタッフとユースが協力し合って、厦門市の小学生を対象に実施している5日間のデイキャンプです。今年は、8月7日~17日の日程で行われ、京都YMCAからは、国際ボランティア会メンバー3名と職員1名が派遣されました。

普段あまり子どもと触れ合う機会がない上に、母国語が通じないという大きな壁があり、接し方に戸惑うことはありましたが、中国語や英語やジェスチャー、ときには通じないと分かりつつも日本語を使ってコミュニケーションをとりました。子どもたちが中国語で一生懸命伝えようとしてくれて、分かり合えた時の喜びは何にも代えがたいものでした。最初は遠巻きに見ていた子どもたちも手をつないでくれるようになったり、中国語を教えてくれたり、一緒に5日間を過ごす中で、距離を縮めていけたのではないかと思います。

スタッフとユース間のミーティングは基本的には中国語で行われましたが、分からない部分などは、台湾のユースが英語で説明してくれました。特に同じチームのメンバーの支えとチームワークのおかげで、この全プログラムを楽しんで参加することができました。

キャンプの最終日は、多くの子ども達とユースが涙して抱き合っており、とても感動的で忘れられない最後となりました。ユースからも子ども達からもたくさんのことを学び、とても有意義な時間を過ごすことができました。このキャンプを支えてくださった皆さんに感謝します。

報告 国際ボランティア会メンバー 平野あかり

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サマープログラム

京都YMCAでは毎年子ども達の発達や関心に合わせて、様々なサマープログラムを実施しています。この夏も多くの子どもたちが参加し、活動を通して素敵な思い出を作り、大きな成長を見せてくれました。

今回は、その中でも7月26日~28日に実施した、鉄道好きの子ども達のためのデイキャンプ『目指せ!てつどう博士!~鉄っちゃん3DAYS~』をご紹介します。

 

目指せ!てつどう博士!~鉄っちゃん3DAYS~

鉄道好きの子どもたちのための3日間日帰りデイキャンプを実施しました。鉄道三昧の3日間を過ごし、「鉄道好きの子どもたちが鉄道をとことん楽しめること」と「更に鉄道を好きになってもらうこと」をねらいとして、キャンプを進めました。

1日目: 京都鉄道博物館見学

今年4月にオープンをした博物館で、巨大なジオラマを見たり、テラスから実際に走っている車両を眺めたりして過ごしました。はじめは少し緊張気味だった子どもたちも電車の話で盛り上がり、すぐに意気投合していました。

2日目:撮り鉄の旅

子どもたちと計画をたて、いろんな電車に会いに行く旅に出かけました。この日だけでも、京都市営地下鉄・近鉄・京阪・大阪市営地下鉄・南海・阪急に乗り、「特急しまかぜ」や「サザンエクスプレス」、「ラピート」などいろんな電車を見ることができました。

3日目:京都丹後鉄道「あおまつ」に乗って、天橋立へ

最終日は、丹後鉄道に乗るために福知山まで向かい、「あおまつ」に乗車し、天橋立へ向かいました。ディーゼル動車の揺れや音に包まれながら乗る「あおまつ」は、3日間を締めくくる素敵な思い出となりました。

「鉄道好き」という共通の話題があるからこそ、子どもたちはすぐに仲良くなり、「学校ではこんな話できる人いいひんねん。」という子も、このキャンプでは自分の知識やお互いの好きな電車について好きなだけ話すことができました。「ここにも、自分の仲間がいる。」そんなことに気づくことができたキャンプになっていれば幸いです。
このキャンプ中も「来年は○○見に行きたいなぁ。」、「次は、ここ行こな!」と約束を交わす子どもたち。これからも続く素敵なキャンプになりました。

 

***参加者の声 藤井 克哉さん(小6)***

はじめは知らない人ばかりで仲良くできるか心配でした。でも、リーダーも声をかけてくれるし、意外に、同じ鉄道好きだったからか、すぐ友だちもできました。
今回のキャンプで一番楽しかったのはみんなで案を出し合って計画した2日目で、みんなの好きな車輛や路線の名前について話しながら歩いていると、ふだん電車好きがいないのでとてもうれしかったです。
このキャンプで新しく知ったことや初めて見た車輛がたくさんあったし、とても楽しかったので、また来年も参加したいです。

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リフレッシュファミリーキャンプ

今年で3回目となる保養プログラム「リフレッシュファミリーキャンプ」を、8月7日から11日の日程で実施しました。
このキャンプは、東日本大震災後今なお不自由な生活をされている福島県在住の子どもたちとその保護者を対象に、夏休み期間に京都でリフレッシュしていただくことを目的に、東日本大震災復興支援募金を用いて2014年から実施しています。毎年多くのご応募をいただくことから、今年は募集人数を増やし、小学生11名、中学生2名の子どもたちとその保護者9名:合計22名(7家族)にご参加いただきました。

今回は京都の特色を活かした観光や料理・和菓子作りなどの文化プログラムと、川遊びや琵琶湖での水遊びなどの自然の中での遊びを組み合わせて計画しました。
子どもたちは初日から元気いっぱい、暑い中でも思い切り外で走り回って、1日目が終わるころにはすっかりボランティアスタッフとも打ち解け、5日間色々な表情を見せてくれました。

キャンプ期間中は例年悩まされた雨はなく、ほぼ予定していたプログラムを実施できたものの、皆さんが楽しみにしていた琵琶湖でのカヌーは強風のため残念ながら実施できませんでした。
それでも琵琶湖での水遊びでは大はしゃぎで、「楽しかった」「もっと遊びたい」という声が多く聞かれました。また、和菓子や料理を作ったり、嵐山や清水寺を観光したりと、家族でも楽しい夏休みの思い出を作っていただくことができました。

今回のプログラムでは、以下の皆様よりご支援、ご協力いただきました。

食事提供・運営ご協力(敬称略):
京都ワイズメンズクラブ
京都みやびワイズメンズクラブ
京都ウエストワイズメンズクラブ
京都ZEROワイズメンズクラブ
京都ウイングワイズメンズクラブ
京都東稜ワイズメンズクラブ
VOLATZ

支援金・寄付金ご協力(敬称略):
京都府災害ボランティアセンター「東日本災害復興事業支援金」
カリタスジャパン「愛の献金」
京都ワイズメンズクラブ
吉成 元宏
人見 晃弘

また、一般応募のボランティアの皆さんがスタッフとして企画・運営に携わってくださいました。多くのご支援・ご協力に感謝申し上げます。

京都YMCAでは、今後も被災者の皆様に寄り添った支援を続けてまいります。今後ともご支援宜しくお願いいたします。

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