京都YMCA News(京都青年) 2017年12月号


京都YMCA News 2017年12月号 記事一覧

迷うことは楽しい?

活動報告
国際協力プログラム
台中YMCA&京都YMCA パートナーシップ締結30周年
リトリートセンター オータムフェスタ

特集
わたしと京都Y― みつかる。つながる。よくなってく。YMCA


迷うことは楽しい?

 

日本キリスト教団 京都教会 牧師
入  治彦

昔の教会や修道院には、庭園を迷路として刈り込んだ所があったと聞きます。そのゴールを目指して歩くことが良い癒しになっていたそうです。醍醐でバブルの頃はやった巨大迷路のコピーも「迷うことは楽しい」でした。

聖書のクリスマスに関係する記事を読んでいますと、クリスマスのできごとについて思い悩み、迷った人たちの話が多く語られています。東方からやって来た占星術の学者たちも星に導かれて旅をした人たちでしたが、星を見失い、迷いながらも、イエスの居所を探し出し、帰り道は夢の知らせによって回り道をして帰った人々でした。

彼らは、東方で見た不思議に輝く星に、ユダヤの新しい王の誕生したことを確信し、はるばるアラビア砂漠を越えて、新しい王を拝みに旅に出た人たちでした。はるかなものに憧れを抱き、荒れ野の果てにあるものに大きな期待を寄せてやって来たのです。王の誕生と言えば王宮ともくろみ、ヘロデ王の住んでいた王宮を目指して旅をして来たのです。
ところが、学者たちの意に反して、新しい王はエルサレムには生まれていませんでした。話を聞いたヘロデは内心穏やかではなく、祭司長、律法学者たちにこの件について尋ねると、それはミカ書によって、都エルサレムから南へ8キロの寒村ベツレヘムだとわかりました。エルサレムが「平和の礎」といったりっぱな名前であるのに対して、ベツレへムとは、「パンの家」といった全く日常的な響きのする名前でした。特筆できることがあるとすれば、この町からかつてダビデが生まれたということだけでした。
しかし、不思議に輝く星があらわれたのは、そのベツレヘムの上空だったのです。学者たちが、エルサレムからベツレヘムに進路を変えた途端、しばらく消えていたあの星が再び燦然と輝き、彼らを導いたではありませんか。彼らは、この小さなズレから大きな発見をしました。それは真実の王は、金殿玉楼の中にではなく、貧しく小さな馬小屋、飼い葉桶の中にいます方であることを知ったからです。強い者が弱い者を守るのは常識ですが、弱い者が強い者を支えるところに人生の真実を知らされます。星と飼葉桶がしるしとなったところには、幼な子の無力が救いを伝える真実がありました。

学者たちは、夢で元来たヘロデ経由の道ではなく、別の道を示されて、東方に帰っていきました。それは力の王に向かう道ではなく、無力の王キリストに仕える道でした。
弱肉強食の強まるこの時代「無力こそ力である」と発信していければと願っています。

◆ マタイによる福音書 2章1節-12節

イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、 言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」 これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。 『ユダの地、ベツレヘムよ、お前はユダの指導者たちの中で決していちばん小さいものではない。 お前から指導者が現れ、わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」

そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。 そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムへ送り出した。 家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。

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活動報告

国際協力プログラム

10月29日(日)に予定していた国際協力街頭募金は、台風22号の接近に伴い中止となってしまいましたが、募金の用途や世界中の貧困地域に住む子どもたちについて学ぶ、国際協力プログラムは実施することができました。生憎の大雨でしたがアウトドアクラブの子ども達、保護者やアウトドアクラブ・スイミング・体操のリーダー等総勢約100名がプログラムに参加しました。

プログラムでは、5歳未満の子どもたちが5秒に1人命を失っているということや、文字が読めなければ大切な人を助けるための薬を買うことができないということなど、命の大切さについて学びました。更に、子どもたちにとって身近な10円や50円等の硬貨を募金することで、貧困地域に住む同世代の子どもたちにどのような支援ができるのかクイズ形式で学びました。
例えば、50円で色鉛筆一式を寄付することができるということを知ったプログラム参加者からは、驚きの声が多く挙がっていました。

プログラム終盤では、学びの振り返りとしてアウトドアチーム毎に少人数グループで意見交換を行いました。それぞれのメンバーが、自分たちには何ができるかをみつけたり、貧困地域に住んでいる同年代の友だちのことを思い、つながりを感じたりしながら、自分以外の人たちのために何ができるのかを真剣に話し合っている姿が見られました。
プログラム参加者からは、困っている人を支援するために募金箱を見つけたら率先して募金するといった声や、少額の募金でも貧困地域にある人を支援することができるとは知らなかったといった声、水などの資源を無駄遣いせずに日々大切に生きるといった声が挙がっていました。

プログラムで学んだことが参加者の心の中で生き続け、自分だけでなく自分以外の人や、異なる環境に住む人々のことを考えるきっかけとなってほしいと願っています。

報告 ウエルネス事業部スタッフ 岡村 大地

◆ 京都YMCAの国際協力月間

京都YMCAでは毎年10月を「国際協力月間」としています。すべての人々が国・民族・宗教の違いを超え、平和で活き活きと暮らせる社会を目指して、街頭募金活動や、子ども達が国際協力への理解を深めるためのプログラムを実施しています。

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台中YMCA&京都YMCA パートナーシップ締結30周年

11月15日(水)に台中市のホテルで、台湾 台中YMCAと京都YMCAがパートナーシップを締結して30周年を祝う式典が、台中、京都、韓国 仁川の各YMCAから参加した役員や職員が参列する中で厳粛に執り行われました。

式典礼拝は開会の賛美歌と祈りに続く台中YMCA理事の歓迎挨拶の後、加藤総主事から1987年10月のパートナーシップ締結にはじまる台中YMCAとの交流、日本語教師の派遣や若手スタッフの受け入れ、毎夏に継続しているユースリーダー受入プログラムの活動などを中心とした人的交流が積極的に展開されてきたことの紹介があり、これまでに築いた絆を礎にますます平和を創り出すための活動に充実させていきたいとの願いが語られました。

これを受けて台中YMCA郭総主事からは、台中から送り出す留学生やリーダーたち、また会員や職員を京都YMCAがいつも暖かく迎えてくれることに感謝し、特に1999年9月の台中地方を襲った大地震の折には、京都YMCAのスタッフを派遣いただき、大きな支援や励ましがその後の復興に力を得たと感謝の意が表され、友情を越えた家族のような関係をますます大切にし、同席した仁川YMCAも共々に次の30年に更なる歩みを進める決意が述べられました。

京都YMCAの参加者7名は翌16日から開かれた3YMCA合同会議にも参加し、最終日17日には30名ほどの参加者で、台中YMCAが精力的に展開するシニア健康プログラムで密接な協力関係にある台中市の林依瑩副市長を表敬訪問しました。

2015年に開始した仁川・台中・京都3Y合同会議は、引き続き次年度も韓国 仁川で二巡目の会議が開催されることとなりました。

報告 学校法人京都YMCA学園 監事 服部  待

◆ 台湾・台中YMCA

1987年、京都YMCAとのパートナーシップを締結。以来、スタッフやボランティアリーダーの交流、台湾学生の日本文化体験受け入れやICCPJでの台湾学生ボランティア受け入れ、日本語科との連携など、多くの事業で協力を深めています。

◆ 3YMCA合同会議

2015年から毎年11月、パートナーシップを締結している、韓国・仁川YMCA、台湾・台中YMCA、京都YMCAが一堂に会し開催しています。
この場で、3か国のレイパーソン、スタッフ間での交流を深め、協働してユース育成や国際理解・交流事業での連携を協議しています。

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リトリートセンター オータムフェスタ

11月19日(日)、リトリートセンターにおいて、17回目のオータムフェスタが開催されました。前日に雨が降り心配しましたが、当日の天気は晴れ時々曇り。400名を超える方が足を運んでくださいました。その内100名ほどの方は当日にチケットを購入して下さいました。

会場では、いろいろな屋台や福祉団体「こもれび」の物品販売、チャリティバザーが行われ、ステージでは、「炭山自然と文化の会」(和太鼓、篠笛、獅子舞)、ブルーグラスの演奏や、大声コンテストなど、大変盛り上がりました。また、体験コーナーでは、和菓子作り体験、ツリーテント体験、ツリークライミング体験などこちらも大盛況でした。

心配していた雨は少し降ったものの、ご来場いただきました皆様にとって、約3時間のフェスタが楽しいひとときになっていましたら幸いです。
各ワイズメンズクラブの皆様、各団体の皆様、出演していただきました皆様、会場へ足を運んでくださいました皆様、皆様のご協力により今年も無事に開催することができました。心より感謝申しあげます。

最後に、後片付けにもたくさんの方のご協力をいただきました。ありがとうございました。

報告 オータムフェスタ実行委員長 青倉 国士

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特集

わたしと京都Y―  みつかる。つながる。よくなってく。YMCA

YMCAは、一人ひとりにとって「したい何かがみつかり、誰かとつながる。一人ひとりがよくなる」場所でありたいと願っています。YMCAに連なる方々の「みつかる」「つながる」「よくなる」エピソードをご紹介します。

ボランティア活動から始まる交流

京都YMCA国際福祉専門学校
介護福祉学科2年 三好  優

私は京都YMCA国際福祉専門学校に入学してまもなく、京都YMCA主催の熊本地震募金活動にボランティアとして参加しました。もともと、「少しでも誰かの力になりたい」という思いが強く、同じ目的を持って取り組む大規模なボランティア活動に参加することが好きでした。そこで生まれる人間関係は魅力の1つでもあると思います。

募金活動を通じてワイズメンズクラブの方々をはじめ、介護福祉学科の先輩等、多くの方と関わることができました。日々の学校生活では関わる機会の少ないワイズメンズクラブの方々には、これまでの京都YMCAでの活動内容を教えていただきました。人生の先輩でもある皆さんからのお話はとても興味深く、貴重な時間となりました。

また先輩と一緒に看板や募金箱を手にして、道を行き来する方に「熊本地震募金活動へのご協力をお願いします」と大声で呼びかけると、「がんばってや」とお声かけをいただき、先輩と一緒に喜びを分かち合えたことは今でも覚えています。ともに呼びかけを行ったことが交流のきっかけとなり、自身の学校生活や介護実習体験等の話ができました。ボランティア活動そのものの魅力に加え、その活動を通じての交流は素晴らしい体験となります。

ボランティア活動に興味のある方、これから入学される方にもぜひ参加していただき、その喜びを共有できたらと思います。

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